2011 Fiscal Year Research-status Report
環境適応の結果としての体組成多型:大規模無作為標本15年後の追跡研究
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23657176
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
甲田 勝康 近畿大学, 医学部, 准教授 (60273182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 体組成 / 多型 / 環境適応 / 疫学研究 |
Research Abstract |
体組成は、骨・筋肉・脂肪に分類できる。その量と分布は気候、栄養、交通、職業など様々な環境に対する適応の結果として決定される。しかしこれまで、体組成の量や分布を正確に把握し、その多型を明らかにし、環境適応との関係について詳細は不明であった。今回の研究目的は、日本の一般住民の体組成を測定し、その多型を明らかにし、環境適応について検討することである。 平成23年には香川、新潟、北海道の2市1町において、骨粗しょう症の大規模疫学研究の15年目の追跡調査(H23-JPOS Study:主任研究者、伊木)が行われた。本研究課題(H23-JPOS BC Study:研究代表者、甲田)では、H23-JPOS Studyの参加者のうち40歳代以上の女性を対象として体組成の測定を行った。体組成は、二重エネルギーX線吸収法(DXA法、QDR4500A搭載車で測定)により全身の骨塩量[g]、体脂肪量 [kg]、除脂肪量 [kg]を測定した。除脂肪体重とは、全体重のうち、体脂肪を除いた筋肉や骨、内臓などの総量のことである。本調査は近畿大学医学部倫理委員会の承認のもとに行われた。年齢階級別の体組成については、50歳代までは除脂肪量に年齢の差はあまり見られなかったが、80歳代では減少していた。体脂肪量も年齢が上がるにつれて減少していた。3地域を比較すると、香川の自治体は他の地域と比べ脂肪量が多く、除脂肪体重が少なかった。新潟の自治体は脂肪量が少なく、除脂肪体重が多かった。3地域の運動能力を歩行速度で比較すると、新潟の自治体が最も高く、新潟の除脂肪体重が多かったことと関係していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していた調査が順調に行われ、予定していた解析対象者数も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、平成23年度内に引き続き福島県の自治体において同様の体組成測定を行い、対象地域と対象者数とを増やす。測定終了後は、環境因子の曝露状況と体組成の関係について分析・解析する。同時に文献学的考察も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は福島県の自治体において平成23年度と同様の体組成測定を行う。次年度の研究費はそのための旅費と測定費用に充てる。なお、平成23年度には、研究旅費にも研究機材の購入にも体組成測定費用にも使用できない端数の研究費約1万円が生じたが、この研究費は次年度の助成金に上乗せして調査旅費および体組成測定費として使用する。
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