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2011 Fiscal Year Research-status Report

ケミカルバイオロジーによる高効率遺伝子ターゲッティング技術の構築

Research Project

Project/Area Number 23658012
Research InstitutionNational Institute of Agrobiological Sciences

Principal Investigator

土岐 精一  独立行政法人農業生物資源研究所, ゲノム機能改変研究ユニット, ユニット長 (80212067)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 雑賀 啓明  独立行政法人農業生物資源研究所, ゲノム機能改変研究ユニット, 主任研究員 (20435613)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords育種学 / 遺伝子 / ゲノム / 植物 / バイオテクノロジー
Research Abstract

遺伝子ターゲッティング(GT)はゲノム上の標的遺伝子だけを任意に改変可能な技術であるが、植物のGT効率は未だ低い。GTはゲノム上の標的遺伝子上に生じたDNA二重鎖切断の相同組換え(HR)による修復過程を利用して起きると考えられ、HRの効率がGT効率を決定する最も大きな要因であると考えられている。特定の遺伝子の過剰発現や発現抑制といった従来のアプローチでもHR効率やGT効率を上げることができるが、HRの恒常的な活性化はゲノムの不安定性をもたらす。そこで、我々は作用の ON/OFFの制御が容易であり、かつ汎用的な利用が期待できる化学物質に着目した。本研究においては、化学物質を利用した高効率で簡便なGTシステムを構築することを目標とし、イネ品種日本晴を材料に、HR効率を向上させる化学物質を探索する。 平成23年度はHR効率を検出するシステムの構築に取り組んだ。様々な生物において、HR効率を計測する方法として、レポーター遺伝子を一部重複させて分断した検出システムが利用されてきた。これまでに、我々は、シロイヌナズナで利用されているルシフェラーゼ(Luc)を用いたHR効率検出システムを参考に、イネ品種日本晴において分断型Lucを利用したHR効率検出システムを構築している。そこで、化学物質スクリーニングの材料として供試するために、HRが活性化したときにLuc発光が確認される系統を選抜し、T1種子の胚盤からカルスを誘導した。サザン解析及び検出されたバンドの強度から、分断型Lucを利用したHR効率検出マーカーコンストラクトが1コピーのみヘテロで導入されていることを明らかにした。また、このカルスを用いて液体懸濁培養細胞を作製した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、分断型Lucを利用したHR効率検出マーカーを有するイネのカルスから懸濁培養細胞を作出し、それを利用して化学物質のスクリーニングを開始する予定であった。しかしながら、節電のために最適な培養条件を設定できなかったことなどから、液体培地を用いて均質な細胞集団を作製するのに予想以上に時間がかかった。よって、液他体懸濁培養細胞を用いた化学物質のスクリーニングを開始するにまで至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

まず、HRを活性化させる化学物質をスクリーニングするための実験系を設定する。次に、設定した実験系において、平成23年度に作出したHR効率検出コンストラクトを有するイネの培養細胞を用いて、HRを活性化させる化学物質のスクリーニングを行う。当初は、メガ制限酵素であるI-SceIを利用し、HR効率検出コンストラクトにDNA切断が生じた条件でHRを活性化させる化学物質のスクリーニングも行う計画であった。しかし、人工制限酵素を用いないGT実験では、標的遺伝子座にDNA切断が生じていない細胞が大部分を占めるため、I-SceIを利用しない(HR効率検出コンストラクトにDNA切断が生じていない)条件に絞り、化学物質のスクリーニングを行う計画に変更する。化学物質が選抜された場合、化学物質の処理条件(濃度・時間等)について詳細な解析を行う。また、選抜した化学物質が、イネ内在性遺伝子のGT頻度を向上させることが可能であるか確認する。以上の結果をまとめ、HR活性化化学物質を利用した高効率GTシステムの構築を試みる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初は、イネの懸濁培養細胞の作出と、それを利用した化学物質のスクリーニングを行う予定であった。しかしながら、液体培地を用いて均質な細胞集団を作製するのに手間取り、化学物質のスクリーニングを開始するにまで至らなかった。よって、化学物質のスクリーニングに必要な消耗品等を購入しなかった。  次年度は、残額でHRを活性化させる化学物質をスクリーニングするために、化学物質のライブラリー(約50万円)や必要な消耗品を購入する。また、化学物質のスクリーニングとそれに伴う分子生物学実験、及び植物材料育成のため、研究補助員1名を雇用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] NHEJ機構抑制イネにおける相同組換え頻度とジーンターゲッティング効率の評価2012

    • Author(s)
      横井彩子, 野中聡子, 雑賀啓明, 刑部敬史, 土岐精一
    • Organizer
      第53回日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      京都産業大学
    • Year and Date
      2012 – 0316
  • [Presentation] 標的遺伝子特異的改変による植物の分子育種2011

    • Author(s)
      土岐精一
    • Organizer
      第1回植物育種セミナー(招待講演)
    • Place of Presentation
      新潟大学
    • Year and Date
      2011 – 1126
  • [Presentation] 標的遺伝子特異的改変による植物の分子育種2011

    • Author(s)
      土岐精一
    • Organizer
      第7回よこはまバイオマス研究会(招待講演)
    • Place of Presentation
      理化学研究所
    • Year and Date
      2011 – 0531

URL: 

Published: 2013-07-10  

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