2011 Fiscal Year Research-status Report
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23658037
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田坂 恭嗣 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (50357422)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ジャガイモ / 水耕栽培 |
Research Abstract |
本研究では、水耕栽培において根域の環境調節技術を利用し、根菜類の効率的な栽培方法を開発することを目指している。すなわち、我々がこれまで植物工場で開発したジャガイモ水耕栽培法を改良して、根への光照射や養液温度の管理、培地(支持体)の検討、浸透圧ストレスを与える等の手法を用いて根域環境を調節することで、根活性を上げ、植物体の成長を促進し、塊茎を誘導させるための全く新しい栽培方法を開発することを目指している。近年、LEDを用いて光環境が植物の生育に与える影響を調べる研究が広く行われているが、大部分は地上部にLED光を照射するもので、根域へのLED光照射例は少ない。本研究では、たん液水耕栽培のジャガイモの根域にLED光を連続照射する実験を行った。TTC還元法を用いて根活性を測定したところ、青色光を照射したジャガイモの根活性は無照射区より高い傾向が見られた。また、地上部の生育は、無照射区よりも有意に大きい結果が得られつつある。また、養液温度の根域に対する影響について検討したところ、養液を下げることで塊茎を誘導できることが明らかになった。養液温度17℃、23℃、27℃の3つの処理区でたん液水耕栽培を行ったところ、17℃処理株の生育は、地上部、地下部とも他の処理区より劣っていたが、わずか2週間で塊茎が誘導された。これらの結果は、根域の環境を制御する方法で、地上部の栽培温度や日長等を変えないで、植物体の生育を促進し、塊茎形成を誘導できる可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初計画していた通り、根の栽培環境と生育との関係を明らかにする研究をほぼ予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
水耕栽培試験を継続することに加え、分子生物学的手法を用いて、根域環境制御方法と生育に関する遺伝子の発現について調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画では水耕栽培装置とLED照明ユニットを購入予定であったが、既存設備を使用して研究を実施したため差額が生じた。これによる研究計画自体の変更は無い。次年度は栽培用資材と分子生物学的研究のために必要な資材を購入予定である。
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Research Products
(1 results)