2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658037
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田坂 恭嗣 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (50357422)
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Keywords | ジャガイモ / 水耕栽培 |
Research Abstract |
本研究では、水耕栽培において根域の環境調節技術を利用し、根菜類の効率的な栽培方法を開発することを目指している。すなわち、我々がこれまで植物工場で開発したジャガイモ水耕栽培法を改良して、根への光照射や養液温度の管理、培地(支持体)の検討、浸透圧ストレスを与える等の手法を用いて根域環境を調節することで、根活性を上げ、植物体の成長を促進し、塊茎を誘導させるための全く新しい栽培方法を開発することを目指している。 昨年度の結果から根域の環境(養液温度や光照射)を制御する方法で、地上部の栽培温度や日長等を変えないで、植物体の生育を促進し、塊茎形成を誘導できることが分かった。今年度は引き続き水耕栽培試験を継続しながら、更に分子生物学的手法を用いて、根域環境制御と生育や塊茎肥大に関する遺伝子の発現について調査した。根域の養液温度に対する影響について検討したところ、養液温度を下げることで塊茎を誘導できることが確認された。すなわち養液温度17℃、23℃、27℃の3つの処理区でたん液水耕栽培を行ったところ、17℃処理株の生育は、地上部、地下部とも他の処理区より劣っていたが、わずか2週間で塊茎が誘導された。このとき、塊茎肥大時に高発現することが知られているエクスパンシン遺伝子とRan遺伝子について半定量RT-PCR法により遺伝子発現レベルを解析した結果、低温下ではエクスパンシン、Ran遺伝子ともに発現が低下することが分かった。
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