2013 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の流通費用・規格外品削減による自給率向上に関する研究
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23658184
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
万 里 鳥取大学, 農学部, 准教授 (90325001)
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Keywords | 食料自給率 / 流通費用削減 / 廃棄削減 |
Research Abstract |
本研究は国内外の市場調査,無等級時間付割引販売の試験的実施などを通して,現在の青果物価格に占める選別・包装費用の削減,等級外品廃棄の削減を実現させ,グローバル経済環境における国産青果物の競争力強化,国産品販売量の増加,農家経営の改善,自給率の向上に貢献することが目的である。 本研究最大の特徴である無等級時間付割引販売の試験的実施は,平成24年度に10回行ったが,その結果を踏まえて改良を加え,最終年度の平成25年に再度実施した。結果として集荷した無等級,無包装の青果物を相応の価格で完売し,無等級時間付割引販売は青果物販売方法の1つとしての有用性が実証できた。その成果を日本農業経済学会大会で個別報告した。 海外市場調査では,青果物輸入の多いアジア地域の青果物流通状況を調査した。平成23年度の韓国ソウル・釜山,平成24年度の中国北京・上海に続き,平成25年8月にベトナムのハノイを訪問し,市内の小売市場及び早朝のLong Bien青果・水産・食肉卸売市場の交易状況を視察した。一部市内道路を利用した卸売市場であり,せり売りは見られなく,産地または数軒農家の生産物を集め,卸売市場で相対取引する産地商人や農家などでにぎわっていた。取引のピークは深夜から早朝までで,夜が明けると市内道路を利用する取引は終了する。 国内市場調査では,平成25年度に中四国地方の拠点市場として指定されている広島中央卸売市場中央市場青果部,岡山中央卸売市場青果市場を視察し,市場関係者と意見交換を行った。市場経由率の低下,荷不足による今後の卸売市場の変貌を注視すべきである。 最終年度の平成25年度では,昨年度に行った消費者調査を取りまとめ,日本農業市場学会大会で成果発表し,消費者の安全・安心志向,鮮度重視などから等級外品の直売による国産青果物の消費拡大に余地があると結論付け,論文にまとめて投稿し,受理された。
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Research Products
(4 results)