2013 Fiscal Year Annual Research Report
携帯端末を利用した人口動態調査システムの途上国農村地域開発への利用
Project/Area Number |
23658189
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
福村 一成 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (50312864)
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Keywords | 携帯端末 / 簡易点滴かんがい / 発展途上国 |
Research Abstract |
期間延長申請時に想定した2か国国のうち、エチオピア国農業研究所(EIAR)の協力を得て、研究を進めた。しかしながら、もう一方のケニア国についてはナイロビのテロ(ショッピングモール襲撃9月21日)等の事情により進捗を図ることが出来なかった。 ケニア国で予定していたDSSシステムに代わり、エチオピア国でタブレット型携帯端末を利用した地方の村落調査を実施するためのプログラム作成し現地語化を行った。調査項目については2014年3月に協力機関(アムハラ州Wereda)と最終的な打ち合わせを行った。ただし、当初予定していた、複数の携帯端末を利用した大規模な調査に対応できるシステムの構築は今後の課題として残った。 簡易点滴かんがいの利用に関しては、エチオピア国アムハラ州のWeredaに新設された”Rice Research and Training Center”内の実験圃場に簡易点滴システムの設置を行うことになり。同圃場内に土壌水分の変化を記録するためのセンサー5点、簡易気象ステーションとそれぞれを記録するデータロガーの設置を行っているが、これらについてはデータ収集に至っていない。 当初の予定変更により、既存の保健医療分野の人口動態調査システム(DSS)を活用した途上国の村落調査の効率化を示すという点は十分に達成できなかったが、携帯端末を利用した村落調査を実施するための基礎的なハードウエァの利用方法とその可能性をエチオピア国において示すことが出来たと考えている。また、対象地(国)の変更、現地への交通アクセスの制限などの状況はあったが、研究を進める上でのケニア、エチオピア国の研究協力機関との信頼関係は十分に醸成できた。この信頼関係を生かし、今回の研究で課題として残った点(簡易点滴の効果判定、DSSシステムの農業分野開発援助における活用)について研究を進めて行きたいと考えている。
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