2011 Fiscal Year Research-status Report
13C直接検出法を用いた高分子量天然変性タンパク質の構造解析技術開発
Project/Area Number |
23659024
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
楯 真一 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20216998)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 蛋白質 / 生体高分子 / 生物物理 |
Research Abstract |
本年度は,新たに導入された700 MHz NMR分光器を用いて13C直接検出法のためのパルスプログラムを作成した.研究計画ではFliKを対象とすることにしていたが,13C直接観測に必要となる長時間の測定に耐えられるサンプルの安定性を実現させることができず計画が遅れた.本研究の目的が天然変性タンパク質のための13C直接測定によるシグナル帰属法の開発であるので研究対象を同様の天然変性タンパク質という性質を持つ基本転写因子TFIIEbフラグメント用いることで研究を進めることに変更した.TFIIEbフラグメントは長時間の測定の間も安定であるために,測定法の開発を進める上で最適であり,研究をスムーズに展開することができる様になった. 今期は,13C直接観測で行う基本的な2次元スペクトル測定法を新規導入の700MHzに組み込むことを可能とした.13C直接観測に必要となる特殊なデータ処理のためのプログラムを作成するなど基本測定の設定をおえた. TFIIEbの主鎖側鎖のシグナル帰属を予定通り終了し,残余双極子効果測定を試みた.残余双極子効果測定については異方性誘導の条件が十分ではなく,さらに測定条件の検討が必要であり,次年度にもちこすことになった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に導入した700 MHzの通常の測定のセットアップを同時に進め無くてはならないために,13C検出という新しい実験の導入前に多くの時間を取られた.また,計画していたFliKのサンプル安定性が十分でなく,新たな測定を開発する対象としては不適切であり,研究対象とする蛋白質を変更するまでにも時間を要した.
|
Strategy for Future Research Activity |
既に基本的な測定は可能となっているため,TFIIEbフラグメントを対象として1. 異方性核スピン相互作用(残余双極子効果)の測定の実現,残余化学シフト異方性効果の実現など初年度予定していた測定を実現する.2. 当初の予定通り,2年目で13C直接観測を用いたスピン緩和測定を実施して,TFIIEbフラグメントのダイナミックス解析を実現する.3.TFIIEbは転写因子Gal11と相互作用することが分かっているために,13C直接観測法を用いてTFIIEb-Gal11の相互作用解析を実現する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度は,計画が遅れたために消耗品費の執行など予定よりも低く抑えられた.ほぼ,研究実施の体制は整っているので,次年度は当該予算を使って集中的に研究を進展させる.
|
Research Products
(18 results)