2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性化はLynーACSL3システムを介して誘導されるか?
Project/Area Number |
23659030
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 直人 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00166620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 泰典 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10447310)
中山 祐治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10280918)
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Keywords | 細胞極性 / シグナル伝達 / 共焦点顕微鏡 / 細胞膜 / 蛋白輸送 |
Research Abstract |
細胞極性化の研究には、イヌ腎臓上皮MDCK細胞 (Madin-Darby canine kidney cell) が用いられ、MDCK細胞を単層培養すると円柱上皮に分化し、タイトジャンクションを形成し極性化する。私達はこれ迄、非極性細胞において、Src型チロシンキナーゼc-SrcとLynの細胞膜への輸送経路が異なることを報告してきたので、極性細胞ではc-SrcとLynはアピカル膜とバソラテラル膜での局在に違いが見られるかどうかを検討した。しかしながら、MDCK細胞では内在性c-Srcと内在性Lynは発現量が低くて共焦点レーザー顕微鏡では観察できなかったので、極性化MDCK細胞に一過性遺伝子導入を企てたが、極性化前(非極性化状態)には遺伝子導入が可能であるが極性化後は遺伝子導入効率が激減することが分かった。従って、極性化前(非極性化状態)に誘導発現した場合では、極性化による局在変化が判別不能となった。 そこで、世界で初めて、MDCK細胞に遺伝子誘導発現系を構築し、c-SrcとLynをそれぞれ誘導発現できる細胞株を作製した。そして、極性化後になってから誘導発現を行なったところ、誘導2時間後に生合成されたc-SrcやLynが共焦点レーザー顕微鏡で見え始めた。誘導発現4時間後にZ軸に沿って細胞を輪切りにして、アピカル膜とバソラテラル膜への局在を観察したところ、c-SrcとLynとの細胞膜局在の違いが明らかとなった。すなわち、c-Srcはアピカル膜とバソラテラル膜の両者に存在が確認されたが、Lynの膜局在はバソラテラル膜に偏っていることを見いだした。細胞質で生合成されたLynはゴルジ領域に集積しゴルジ領域でACSL3と会合により細胞膜へと運ばれるので、今後、Lyn-ACSL3との会合システムと細胞極性発揮の機構解明が待たれる。
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Research Products
(4 results)