2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659054
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 典昭 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40209820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 孝司 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00184656)
山崎 尚志 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20271083)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / U1 snRNA / 4'-チオ核酸 / 化学修飾核酸 |
Research Abstract |
平成23年度は、1.新規核酸素子の基本骨格となる2'-置換-4'-チオリボヌクレオシド類の合成法を確立し、さらにそれらの大量合成を行なった。2. また合成したヌクレオシドユニットを用いて15merのハイブリッド型化学修飾核酸(2'-OMOE-4'-チオRNAならびに2'-F-4'-チオRNA)を合成し、それらの性質解析を行なった。その結果、2'-OMOE-4'-チオRNAは50%ヒト血漿中、半減期48時間以上となり、既に申請者が開発した2'-OMe-4'-チオRNAよりも遥かに高いヌクレアーゼ抵抗性を示した。この値は、核酸分子として驚異的な値である。一方、2'-F-4'-チオRNAは、RNAに対して高い二本鎖形成能を示し、これらハイブリッド型化学修飾核酸が核酸医薬品創製のための新素子となり得ることが示唆された。続いて、合成したハイブリッド型化学修飾核酸のU1 snRNAのリクルート能を、まずU1i機構による遺伝子発現抑制効果を測定することで評価した。その結果、2'-F-4'-チオRNAは、濃度依存的にルシフェラーゼの発現を抑制し、これにより高い二本鎖形成能を持つ2'-F-4'-チオRNAが、U1 snRNAをmRNA上の任意の位置にリクルートする能力を有することが示唆された。また、pGL3-Cのコード領域にpRL-Tkのイントロン配列を導入した評価用ベクターの構築を行なった。この評価用ベクターを細胞にトランスフェクションした場合、野生型イントロン挿入配列ではスプライシングが起こるが、変異イントロン挿入配列ではスプライシングが起こらない。このベクターを用いることで合成したアダプター分子によるスプライシング異常の校正能を評価できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目標の一つである核酸医薬品創製のための新素子の開発については、それらの性能評価の結果からも、その目標を達成できたと判断できる。一方、スプライシング異常の校正能を目指した新戦略については、今後様々な検討が必要と思われるが、平成24年度の研究実施期間をほぼそのために充てることが可能であり、研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
U1i機構による遺伝子発現抑制効果を指標として、アダプター分子が最も効果的なU1snRNAリクルート能を有するような修飾様式を検討する。Clickケミストリーによりhead-to-head型アダプター分子を合成し、評価用ベクターを用いたルシフェラーゼアッセイにより、スプライシング異常の校正能の評価を行う。さらに、その結果をもとにリアルタイムでアダプター分子の構造最適化を行ない、スプライシング異常の校正を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本課題の研究成果発表と研究についての情報収集を年度を越えて行なったために繰越金(61,840円)が発生した。その他の研究費については、平成23年度とほぼ同様に、殆どを核酸合成試薬ならびに生化学試薬などの消耗品費に充てる。残りについては、研究成果発表のための学会参加費や旅費に使用する予定であり、当初計画から大きな変更はない。
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Research Products
(2 results)