2012 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺髄質人工器官の構築による自己免疫疾患治療法開発への挑戦
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23659241
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大東 いずみ 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 特任助教 (00596588)
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Keywords | 胸腺髄質上皮細胞 / 自己免疫寛容性 |
Research Abstract |
胸腺髄質上皮細胞(thymic medullary epithelial cell: mTEC)は、組織特異的抗原を発現し、成熟過程にあるT細胞に提示することによって自己反応性細胞の排除や制御性T細胞の生成をもたらし、免疫寛容性の獲得に重要な役割を担っている。昨年度、コラーゲンスポンジやアルギネート等の生体材料を用い、末梢自己反応性T細胞のアフェレシスを可能とするmTECを用いた人工免疫器官の構築を試みたが、これらは機能的なmTECの増殖や維持には適していないことが明らかになった。 mTECは胸腺皮質上皮細胞(thymic cortical epithelial cell: cTEC)と共通の前駆細胞から分化するが、前駆細胞からどのように機能の異なるふたつの上皮細胞へと分化するのか、その分岐機構は不明な点が多い。そこで、mTECを用いた機能的な人工胸腺構築への手がかりとして、前駆細胞からmTECへの分岐機構を明らかにすることを目的とした。上皮細胞分化早期から発現し、cTEC特異的な胸腺プロテアソーム構成鎖β5tの遺伝子座にCreをノックインしたマウスを作製し、EGFPレポーターマウスと交配することにより、現在または過去にβ5tを発現した細胞をEGFP発現にてトレースすることができるマウスを作製した。このマウスの胸腺におけるEGFPの発現は、CD326陽性である上皮細胞特異的に検出された。さらに上皮細胞でのEGFPの発現は、cTECのみならず、mTECでの組織特異的抗原発現に関わる核内因子Aireを発現する細胞を含むほとんどのmTECでも検出され、mTECはcTEC分子を発現する前駆細胞から分化することが明らかになった。これらの結果は、T細胞の寛容性獲得を担う胸腺微小環境の本質理解の一助になるともに、自己免疫疾患の根本的な治療法開発へ向けて、重要な理論的根拠を提供しうる。
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Research Products
(5 results)