2011 Fiscal Year Research-status Report
在宅において内服抗がん剤を経管投与する場合の介護者防護に関する検討
Project/Area Number |
23659276
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
天野 学 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (70595644)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 在宅医療 / 経管投与 / 簡易懸濁法 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
今年度は、「日本国内で発売されている内服抗がん剤全てを簡易懸濁法により適否判別」を中心に研究した。また、薬剤投与シミュレータ(胃ろう設置人形モデル)を使い、「薬剤ダミーを胃ろう設置人形モデルへ投与時、液のもれおよび薬液付着に関して検討」を開始した。今年度の補助金は、主に上記の研究を遂行するための薬剤投与シミュレータと消耗品の購入費に当てられた。 1.「日本国内で発売されている内服抗がん剤全てを簡易懸濁法により適否判別」:内服抗がん剤は、2012年3月現在107種類がある。この中、簡易懸濁法による投与の適否判定のデータがあるものは29種類しかなく、残りの78種類の検討を行うのがこの検討の目的である。当初予定していたより、抗がん剤の入手に手間取ったが、ほとんどの品目を入手できる手筈が整った。 2.「薬剤ダミーを胃ろう設置人形モデルへ投与時、液のもれおよび薬液付着に関して検討」:薬剤投与シミュレータが納入された昨年11月から本検討を開始した。現在、データを採取している状態である。また、本検討に関連した論文「アンケート調査による簡易懸濁法でのチューブ詰まりの原因解析」は『医療薬学』第38巻第2号に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の研究の達成度は、やや遅れているという状況である。その理由を列記する。1. 「日本国内で発売されている内服抗がん剤全てを簡易懸濁法により適否判別」:抗がん剤の入手に手間取ったことが大きな原因である。使用する抗がん剤の必要最少数量は、4錠、4カプセルもしくは4g単位であるが、抗がん剤は高価なものが多く、最小包装単位でも、必要最小量を上回ることが多いため、薬局などにお願いして、分割購入することとなる。さらに、中には市場での流通が少ない医薬品も多く、入手に時間がかかった。2.「薬剤ダミーを胃ろう設置人形モデルへ投与時、液のもれおよび薬液付着に関して検討」:「研究実績の概要」に述べたとおり、薬剤投与シミュレータの納入が昨年の11月となった。これは予定より4か月遅れの開始となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策について列記する。1. 「日本国内で発売されている内服抗がん剤全てを簡易懸濁法により適否判別」:当初の予定のまま推進する予定である。2012年8月には、ほとんどのデータがそろう予定である。2.「薬剤ダミーを胃ろう設置人形モデルへ投与時、液のもれおよび薬液付着に関して検討」:当初の予定のまま推進する予定である。2012年度内には、終了予定である。3.「簡易懸濁調製時および廃棄時のエアロゾル発生および装備への透過性について検討」:検討を開始した。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2011年度は、「薬剤ダミーを胃ろう設置人形モデルへ投与時、液のもれおよび薬液付着に関して検討」が薬剤投与シミュレータ納入の遅れにより、研究がやや遅れた。このため、謝金の支払いが生じなかったが、2012年度には研究の進展にともない謝金が発生する予定である。 また、2012年度からは、「簡易懸濁調製時および廃棄時のエアロゾル発生および装備への透過性について検討」を開始したが、測定装置の購入が必要となる。この測定装置(約20万円と見積もっている)を購入予定である。
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