2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659324
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 博美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60142931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若尾 宏 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10280950)
小田 淳 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50255436)
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Keywords | 粘膜関連インバリアントT細胞 / 分化誘導 |
Research Abstract |
粘膜関連インバリアントT細胞への再分化の誘導はヒトES細胞からのT細胞の分化法に準じて行った.すなわち,粘膜関連インバリアントT細胞に由来するiPS細胞をOP9というフィーダー細胞の上で分化させたのち,ここからCD34陽性CD43陽性という血液幹細胞に類似した前駆細胞を精製した.つづいて,Notchリガンドを異所性に発現するOP9/DL1をフィーダー細胞として細胞分化させた.OP9/DL1の上で30日間の分化誘導を行った結果,得られたリンパ球の98%以上が粘膜関連インバリアントT細胞となることが明らかとなった.この再分化された粘膜関連インバリアントT細胞の表面抗原タンパク質を解析したところ,ヒトの末梢血に存在する粘膜関連インバリアントT細胞とは異なって,CD45RA,CD62L(ナイーブT細胞のマーカー),ならびに,T細胞エフェクタータンパク質であるCD95,サイトカインであるインターロイキン7の受容体,CXCR5やCCR6などのケモカイン受容体が発現していることが示された. 粘膜関連インバリアントT細胞は細菌に感染したヒト単球を認識してインターフェロンγを産生する点で通常型のCD4陽性T細胞あるいはCD8陽性T細胞とは異なることから,この特性を確かめた.細菌に感染した単球と再分化された粘膜関連インバリアントT細胞とを共培養することにより,インターフェロンγ,TNFα,インターロイキン10,インターロイキン2,顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF),インターロイキン12,インターロイキン17,インターロイキン22などの多様なサイトカイン,および,Eotaxin,RANTESなどのケモカインの産生の増大が確認され,一部のサイトカインの産生はMR1に依存的であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
樹立細胞の環境応答機構を調べるうえで基準となる、分化誘導に伴う細胞の諸性質の検索は概ね終了している。現在、未解析であるヒトiPS細胞を分化誘導させて抽出したRNAの遺伝子発現解析を行う準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立細胞の環境応答の代表例としての感染に対する応答機構を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度にヒトiPS細胞を分化誘導させてRNAを抽出し、遺伝子発現解析に供する予定であったが、抽出RNAの純度が低く、該当年度中に解析が終了しなかった。そこで、再度ヒトiPS細胞からRNAを抽出し発現解析を次年度に行うことにした。未使用額をその経費に充てる。
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Research Products
(3 results)