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2011 Fiscal Year Research-status Report

尿中エクソゾーム解析による非侵襲的腎臓病診断法の確立

Research Project

Project/Area Number 23659445
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

土井 俊夫  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60183498)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安部 秀斉  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60399342)
岸 誠司  徳島大学, 大学病院, 助教 (10519507)
冨永 辰也  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80425446)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords慢性腎臓病 / バイオマーカー / エクソゾーム / ポドサイト / ALK1
Research Abstract

1.簡易尿中エクソゾームタンパク抽出法の確立尿中エクソゾームタンパクは、従来法では、大量の尿(200ml)から超遠心法にてサンプル抽出を行っていたが、エクソゾームの表面マーカーを利用したカラムによる精製法を利用した少量(1-3ml)の尿よりの抽出を可能とした。尿の採取法・保存法・添加するプロテアーゼの選択、エクソゾームの溶出などの各条件の最適化を行い、従来法である超遠心法で得られたサンプルと、スクロース密度勾配法によって、各fractionの比較を行い、目的とするエクソゾーム内のタンパクの評価に適した簡易抽出法を確立した。2.尿中エクソゾームタンパク内のバイオマーカーの選定 以前に行った、ネフローゼ症候群、腎不全、メサンギウム増殖性腎炎などのモデル動物の尿中エクソゾームタンパク解析によって、候補としていたNephrin,Podocin、CD2AP(CD2‐associated protein)などのポドサイトに特異的な分子、メサンギウム障害のマーカーであるSmad1、内皮細胞障害に関しては、ALK1, Endoglinなど、さらに、尿細管障害に対しては、Snail、AQP2が慢性腎臓病患者の尿中エクソゾ-ムタンパク中にも実際に検出可能であることをWestern blot法によって確認した。特に、病態を鋭敏に反映している分子から順に、ELISAを用いた測定システム樹立を進めている。3.各種腎疾患患者の尿・腎組織サンプルのバンク化 腎生検により、確定診断の得られた腎疾患患者尿サンプルのバンク化を遂行している。倫理委員会で承認され、同意書の得られたものについて、背景となる臨床情報を連結可能な匿名化により収集し、バンク化を行っている。同時に、生検を施行した腎組織も、同様に匿名化・バンク化を行っており、平成24年度の解析にむけ、準備が進行中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

すでにこれまでに得ていた尿中エクソゾームの由来する動物モデルの疾患群と、実際に腎生検が行われた慢性腎臓病患者の疾患群に一部相違がでてきた。すなわち、実際のヒトでは、糖尿病患者が多くみられたこと、また、高齢者の腎炎・血管炎が多く、腎生検の対象となったことから、動物モデルが、これら糖尿病・加齢モデルも必要となってきた。これらは今、解析準備中である。ただ、それ以外の腎疾患に関しては、計画通り、候補分子が、ヒト尿中エクソゾームにおいても検出でき、一部はすでに測定キットの開発が進んでおり、バンク化されたサンプルにおいての測定を待つ段階に至っている。

Strategy for Future Research Activity

候補分子が、ヒト尿中エクソゾームにおいても検出でき、測定キットが完成したものから順に、さまざまな腎疾患において比較解析を行う。まず、腎生検にて得られた組織を用いた免疫組織学的な解析により、病変に一致した発現であることを確認する。抗体がうまく機能しない場合は、in situ hybridization assayにより確認を行う。ネフローゼ症候群の再燃時に発現の増えるマーカーなどを同定する。尿タンパク、尿潜血、腎機能、酸塩基異常など、腎構成細胞障害を反映するマーカーの特定も行い、さまざまな腎疾患の診断、予後予測、治療に対する効果判定など、それぞれの目的に用いることのできる、尿中バイオマーカーパネルを作成する。前年度に採取した尿中エクソゾームタンパク、腎組織を元に、パネル化されたバイオマーカーを用いて、これらマーカーの測定値と糸球体病変における発現の程度を免疫組織学的に比較解析する。各腎疾患において、治療に対する反応、病勢、予後予測に有用なマーカーを選別する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

すでに得ていた尿中エクソゾームの由来する動物モデルの疾患群と、実際に腎生検が行われた慢性腎臓病患者の疾患群に一部相違がみられた。また、ヒトでは複数の生活習慣病を有する場合が多い。具体的には、実際のヒトでは、糖尿病患者が多くみられたこと、また、高齢者の腎炎・血管炎が多く、これらが腎生検の対象となったことから、動物モデルが、糖尿病・加齢モデルも必要となってきた。モデルマウスは既に発注済みであるが、導入が次年度にまたがったため、次年度の支出を必要とする結果となった。バイオマーカー測定系の構築が順調に進行しており、追加モデルマウスの解析を待つ状況にある。

  • Research Products

    (5 results)

All 2011

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 心腎貧血連関における心血管イベント予測新規バイオマーカー血中Smad1の解析2011

    • Author(s)
      安部秀斉
    • Journal Title

      腎臓

      Volume: 34(2) Pages: 112-116

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 糖尿病性腎症の病因解析の進歩2011

    • Author(s)
      安部秀斉
    • Journal Title

      臨床病理

      Volume: 59(2) Pages: 179-186

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] BMP4・Smad1シグナルと糖尿病性腎症2011

    • Author(s)
      安部秀斉ら
    • Journal Title

      日本腎臓学会誌

      Volume: 53 Pages: 1000-1005

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 尿中エクソゾームを用いた慢性腎臓病の非侵襲的診断法と予後予測2011

    • Author(s)
      林早苗ら
    • Organizer
      第34回 日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • Year and Date
      2011.12.15
  • [Presentation] 新規バイオマーカーとしての尿中エクソゾームによる慢性腎臓病患者の病態解析2011

    • Author(s)
      安部尚子ら
    • Organizer
      第58回日本臨床検査医学会学術集会
    • Place of Presentation
      岡山コンベンションセンター(岡山市)
    • Year and Date
      2011.11.18

URL: 

Published: 2013-07-10  

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