2012 Fiscal Year Annual Research Report
尿中エクソゾーム解析による非侵襲的腎臓病診断法の確立
Project/Area Number |
23659445
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 俊夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60183498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 秀斉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60399342)
冨永 辰也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80425446)
岸 誠司 徳島大学, 大学病院, 助教 (10519507)
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Keywords | 慢性腎臓病 / バイオマーカー / エクソソーム / CKD / ポドサイト |
Research Abstract |
1.尿中エクソゾームタンパクの経時的な評価とパネル化 前年度に選定した、腎構成細胞障害特異的でヒト尿サンプル測定に有用な尿中エクソゾームタンパクを用いて、さまざまな腎疾患において比較解析を行った。腎生検にて得られた組織を用いた免疫組織学的な解析により、病変に一致した発現であることを確認した後、動物モデルにおいても同様の発現が観察されることを確認した。生検における診断確定後に尿中エクソゾームタンパク群を経時的に解析したところ、ネフローゼ症候群の原因がアルブミン尿では分類が不能であったが、今回発見したポドサイト由来のエクソソームタンパクにおいては、腎機能に影響を与える原因と影響を及ぼさない原因とに、腎疾患を分類することがかのうとなった。また、尿中への排泄量の増加は腎不全への進行速度を反映していることが明らかとなり、腎不全への予測マーカーとしての価値を確認できた。 2.CKD治療の結果を用いた治療過程におけるバイオマーカーの測定・解析 これらバイオマーカーを用いて、尿中排泄量と各腎疾患において、現在用いられている、ステロイド、各種免疫抑制剤、RA系阻害薬をはじめとする、さまざまな治療に対する反応・不応例に関して、病勢に平行して推移するマーカーの選別を行った。尿タンパクのみに有効な治療、腎機能保持にのみ有効な治療、または両者に有効な治療を、ポドサイト由来エクソソームタンパク質のパネル化によって、評価可能とした。同じ原因であっても、これらマーカーの変動は異なり、また、同じ治療であってもその奏効率によってマーカーが変動することが明らかとなり、各腎疾患における、治療に対する反応、病勢、予後予測に有用なマーカーを確立できた。
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Research Products
(3 results)