2011 Fiscal Year Research-status Report
喀痰中の結核菌を迅速に検出するイムノクロマト法の開発
Project/Area Number |
23659507
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
永田 正喜 佐賀大学, 医学部, 助教 (90467952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 比呂志 佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 結核 / イムノクロマト |
Research Abstract |
液体培地に7H9をベースとした栄養豊富な液体培地を考案し、白金・金コロイドを標識物としたイムノクロマト法との組合せにより、結核菌の早期検出法を検討した。塗沫検査およびPCR法によりあらかじめ検体情報が判明している同意の得られた患者喀痰を12検体用いた。喀痰の均質化および消化・汚染除去のための前処理を行い、液体培地に接種した。これを培養試料とし、培養開始直後、24時間後、3日後、7日後にイムノクロマト法でMPB64の経時的観察を行った。培養開始直後からMPB64の経時的観察を行ったところ、早いものでは培養開始時より陽性判定が可能であった。喀痰中抗酸菌濃度が中濃度以上の検体(ガフキー5号以上)では培養3日目ごろより検出可能であった。しかしながら、検体によってMPB64の産生速度は異なり、ガフキー9号の検体でも培養7日目になって初めて陽性となった検体もみられた。また、低濃度の検体(ガフキー1号、2号)では7日目までに検出することができずMPB64は濃度依存的な傾向が認められた。一方、本来MPB64を産生しないM.aviumで、理由は不明であるが非特異的反応が1検体認められた。次に検体数を増やして測定を行った。検体情報が判明していない同意の得られた患者喀痰53検体を用いた。培養0時間でMPB64が検出されたものは4検体あった。培養24時間では新たに3検体が検出された。培養3日目では3検体増え合計10検体となった。培養7日目では新たに3検体からMPB64が検出され、全53検体中13検体から陽性反応が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではイムノクロマト法を用いたMPB64を指標とする結核菌群の迅速測定法の検討を行った。MPB64の増殖には濃度依存的な傾向がみられ、喀痰中の結核菌濃度の高い検体については液体培地との組合せにより、従来の培養法よりも短時間で結核菌を検出することが可能であった。また喀痰直接法では、イムノクロマト用抽出液を用いて喀痰からMPB64を抽出することにより培養なしでも結核菌群を検出することが可能であるという重要な新知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
結核疑いで採痰した30以上の検体について喀痰直接法の検討を行い、PCR法との相関について明らかにし、PCR法に替わる迅速診断法として使用できるかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
結核患者の喀痰数を増やして、検体前処理法の簡易化や、粘性の強い検体の均質化などの改良に着手し、商品化を目指す。
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