2011 Fiscal Year Annual Research Report
クロライドホメオダイナミクス仮説で読み解く胎児・新生児脳障害の病態と新仮説の提案
Project/Area Number |
23659535
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | クロライドホメオスタシス / 皮質板細胞 / 大脳皮質 / 細胞移動 / GABA / タウリン / 母体ストレス / 発達障害 |
Research Abstract |
1.モデル動物の作製: (1)Cl^-ホメオスタシス破綻モデル:マウス胎仔脳に、変異KCC2遺伝子をコードするcDNAをIUEP法で導入しCl^-を低下させた。皮質凍結損傷ではKCC2発現低下が惹起された。(2)母体タウリン欠乏モデル:D-システインスルフィン酸やタウリントランスポーター阻害剤を、妊娠マウス腹腔内に投与して母体のタウリン合成を阻害し、脳のタウリン含有量が半減した胎仔を得た。(3)インビボ(胎盤低環流)脳虚血モデル:妊娠14.5日に片側子宮動脈を結紮し体重が30%低下したIUGRモデルを確立した。(4)母体拘束ストレスモデル:GAD67-GFP knock-inマウスの妊娠15日目から3日間、45分の拘束・光刺激ストレスを一日3回野生型母マウスに与え、胎仔コルチコステロンが優位に増加するモデルを確立した。 2.モデル脳細胞の発生・移動・生理機能・微細形態・アミノ酸分泌の解析: Cl^-ホメオスタシス破綻モデルでは[Cl^-]_iを強制的に低下させると放射状移動も接線移動も遅くなった。GABA_A受容体阻害で移動速度が変化しCa^<2+>振動頻度が減少した。イメージング法で、自己/傍分泌的に容積感受性陰イオンチャネルからGABAが放出されることを証明した。また、胎仔でのパラクリン的分泌はGABAがglutamateより優位であった。免疫組織化学とHPLCによるタウリンの細胞内外の分布を解析した結果、大脳皮質に多く存在しタウリントランスポーターで取り込み、容積感受性陰イオンチャネルから放出していた。母体D-システインスルフィン酸投与による胎仔脳タウリン欠乏モデルで放射状移動が速くなることが明らかになった。 3.モデル動物のDNAメチル化解析: モデルマウス脳から、部位別に数マイクログラムのゲノムDNAを抽出し、MeDIP法により回収されたDNA断片を、DNAマイクロアレイを用いて解析する方法をほぼ確立できた。したがって、モデル脳で特異的にエピジェネティックな遺伝子発現制御を受けている候補遺伝子群を網羅的に同定する準備が出来た。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Phosphodiesterase 4 inhibition enhances the dopamine D1receptor/PKA/DARPP-32 signaling cascade in frontal cortex2012
Author(s)
Kuroiwa, M., Snyder, G. L., Shuto, T., Fukuda, A., Yanagawa, Y., Benavides, D. R., Nairn, A. C., Bibb, J. A., Greengard, P. and Nishi, A.
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Journal Title
Psychopharmacology
Volume: 219
Pages: 1065-1079
Peer Reviewed
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[Presentation] Developmental regulation of KCC2 activity by taurine in a phosphorylation-dependent manner2011
Author(s)
Inoue, K., Furukawa, T., Yamada, J., Kumada, T., Wang, T., Inoue, R. and Fukuda, A.
Organizer
第34回日本神経科学大会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20110914-17
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