2012 Fiscal Year Research-status Report
脳内αシヌクレイン・イメージングPET分子プローブの開発
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23659605
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (50425659)
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Keywords | 脳神経疾患 / 認知症 / 放射線 / 薬学 / 放射性医薬品 |
Research Abstract |
【研究目的】本研究はαシヌクレインの凝集体を選択的に画像化するPET分子プローブの開発を目指し、設計、合成、標識合成ならびに生物学的評価を行い、臨床応用可能な候補化合物を見出すことを目的とする。 【実施方法】今年度は昨年度実施したフェノチアジン系化合物のインビトロ評価を引き続き検討するとともに、新たに特許文献等でαシヌクレインへの結合性が示されている、ポリフェノール系化合物の合成検討を実施した。 【結果1】フェノチアジン系化合物5化合物について、本研究費で購入したセルハーベスターを用い、アミロイドβ凝集体ならびにαシヌクレイン凝集体への結合性を評価した。その結果、いずれの化合物も凝集体への特異結合に比べて、フィルターやキャリアタンパク(BSA)への非特異的結合が大きく、インビトロ結合試験では特異的結合を示すデータは得られなかった。同時に検討したスタンダードのPiBやBF227でも特異結合が僅かであったことから、使用したリコンビナント凝集タンパクの高次構造による結合性の違いや候補化合物の高い脂溶性に問題が有るものと考えられた。 【結果2】ポリフェノール系化合物についてはメチル化の反応点が複数あるため、収率は低かったが、1化合物の標識合成に成功した。この化合物について、脳を画像化するPET分子プローブとしての基本的な性能を評価する目的で、体内分布試験を行い脳への放射能の集積性について検討した。その結果、ポリフェノール系の候補化合物は脳への放射能集積を認めなかった。種々の報告からポリフェノール系化合物も脳内へ入ると報告されているが、やはり脂溶性が低いため、PET分子プローブとしてはプロドラッグ化等のDDSの利用が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フェノチアジン系化合物については概ね評価が終了した。また、ポリフェノール系化合物についても合成検討を開始し、基礎評価まで終えた。本研究を遂行するにあたって、初年度に研究費で購入したセルハーベスターが有用であった。
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Strategy for Future Research Activity |
評価系としてリコンビナントタンパク質を用いる方法には限界がある。ヒト死後脳の利用や凍結切片等を用いたオートラジオグラフ法も採用する方向で検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬:ヒト死後脳凍結切片の購入等
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Research Products
(8 results)