2012 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの骨/軟骨破壊におけるSyndecan4の関与
Project/Area Number |
23659703
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 大介 北海道大学, 大学病院, 助教 (90528845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 倫政 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30322803)
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Keywords | 関節リウマチ / Syndecan-4 |
Research Abstract |
Syndecan-4(Synd-4)は生体内の様々な免疫応答に重要であることが報告されており、近年ではSynd-4が免疫応答をダイナミックに制することで関節破壊に寄与するとも言われている。Syn-4はB細胞上に発現し、周囲の細胞との相互作用によって免疫応答を担っている可能性が示唆されている。これまで、B細胞標的薬がTNF-α阻害療法の治療抵抗例に対して有効であることが臨床治験で実証されており、RAの病態にはB細胞が強く関与していると考えられている。本研究の目的は、RAの免疫応答におけるSynd-4の関与を明らかとすることである。 これまでに我々は、Synd-4がB細胞に高発現していることを明らかとし、Synd-4 KOマウスのRA modelを用いて、Synd-4の欠損により関節炎の重症度・発症率が有意に低下することを明らかにした(発症率 ; WT群 (50%) : Synd-4 KO群 (9.1%))。また、その原因として、Synd-4 KOマウスの所属リンパ節では、B細胞が効率よく抗体産生を行う場として非常に重要な胚中心構造の形成異常と、胚中心形成に関与するB細胞亜群数が有意に低下していることを示した。さらにその結果として、自己組織の障害を引き起こすIgGサブクラスの抗体産生がSynd-4 KOマウス群で有意に低下していたことも明らかにした。このことからSynd-4はB細胞応答を制御し、胚中心形成さらには抗体産生を促進させることで、RAの病態に深く関わっている可能性があることを報告した。 本研究はSynd-4がRAの胚中心形成に強く関与している分子であることを初めて示したものであり、B細胞機能にとって重要な分子であることを強く示唆している。Synd-4はRAにおいて新たな治療のターゲット分子となる可能性がある。
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Research Products
(5 results)