2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659767
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 宏志 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60333473)
|
Keywords | 着床 / 胚 / 遺伝子 / 妊娠 / 偽妊娠 |
Research Abstract |
昨年度のマイクロアレイを用いた解析によって同定されたimplantation windowの開放時に発現が上昇する遺伝子2個、および発現が減少する遺伝子1個について、交配後、継時的(0.5 dpc~4.5 dpc)にリアルタイムPCRによる発現解析を実施した。尚、ハウスキーピング遺伝子としてはβアクチン、GAPDHおよびPGK1を用い、これらの発現をReFinderを用いて解析し、最も適切なハウスキーピンク遺伝子を選択して比較検討した。Sprr2fの子宮での発現は、0.5 dpcで最も高く、以降その発現は、着床の前後を含め有意に減少した。卵巣におけるこの遺伝子の発現は、着床時の3.5 dpcで最も上昇する成績であった。また、Ass1の子宮での発現は着床が終了した4.5 dpcで最も高く、卵巣においては3.5 dpcで最も高い成績であった。Sprr2fはエストロジェンで誘導されることが知られているが、交配後の子宮での発現上昇、その後の急速な抑制、および着床時における卵巣での発現の上昇は、implantation windowの制御因子候補として検討に値するものと考えられた。また、炎症性のサイトカインが血管内皮細胞でその発現を抑制することが知られているが、生殖器における発現変動に関する知見が得られたのは、本研究が初めてである。Ass1の早期の発現誘導によって、implantation windowの開放を早めることへの期待が持てる成績を得たと考えられる。
|