2012 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科腫瘍におけるメタボローム解析と関連遺伝子発現・遺伝子多型に関する検討
Project/Area Number |
23659780
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森田 宏紀 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (00379364)
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Keywords | メタボローム解析 / 婦人科腫瘍 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
婦人科悪性腫瘍について治療開始前後に患者から血清を採取し、血清からアミノ酸や有機酸など低分子代謝産物の抽出を行った。また、コントロールとして健常人の血清からも同様に低分子代謝産物を抽出した。抽出液をガスクロマトグラフィー質量分析計に供し測定し、測定データを用いて多変量解析のひとつである主成分分析により統計処理を行い、各疾患と健常人の血清の低分子代謝産物の存在パターンがそれぞれ異なるのか否かを統計学的に検討したが、有意な結果は得られなかった。また、同疾患について手術などで治療終了後の血清も採取し、同様にガスクロマトグラフィー質量分析計による測定を実施して、治療後の血清代謝産物存在パターンが健常人に近づくのか否かなどを検討することで、治療効果判定マーカーへの適用性に関して検討した。 子宮頚癌、子宮体癌、卵巣癌患者といった婦人科腫瘍の治療前や初回手術中に生検組織を得て、その組織を癌部と非癌部とに分別した。続いて癌部組織と非癌部組織から低分子代謝産物を抽出を行い、ガスクロマトグラフィー質量分析計によるメタボローム解析を実施した。これにより癌部、非癌部との間で変動している低分子代謝産物を網羅的に解析していき、その結果をデータベースとを比較検討することで、婦人科腫瘍を発症することでどのような代謝経路が変動すのか検討した。さらに、前回の成果を照らし合わせることで、血清中にみられる低分子代謝産物の変動がどのようにして誘導されたかを精査した。解析の結果明確な婦人科腫瘍のマーカーとなる代謝産物を同定することは出来なかった。解析の対象となるデーターは膨大なため、今後も有意なマーカーとなる代謝産物を同定することをめざし解析を続ける。分析中に得られた症例に治療面での成績を学会、論文にて行った。世界に先駆けて婦人科腫瘍のメタボローム解析の成果をあげる意義は大きいと考える。
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Research Products
(5 results)