2011 Fiscal Year Research-status Report
Microwave照射による新しいびまん性脳損傷モデルの開発
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23659850
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
布施 明 日本医科大学, 医学部, 講師 (80238641)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究は Microwave照射による新しい実験脳損傷(Microwave-induced Brain Injury;以下MWBI)モデルの開発を目指し、I.本実験モデルによって作成される脳損傷の病態を病理学的に検索し、II.さらに軽度MWBIモデルで出現する行動異常を解析し、本実験モデルが現在、問題になっているびまん性脳損傷の高次機能障害を解明するモデルとなりえるのか、あるいは、爆発損傷に伴う頭部外傷と関連があるか否か、を解明することを目的としている。まず、マイクロ波照射による脳損傷モデル作成について、マイクロ波を3つの強度に分けて照射を行った。2.0Kw/01sec、2.6Kw/0.1sec、3.2Kw/0.1secで照射を行い、それぞれの強度での生理学的な変化を観察し、病理学的検索を経時的に行った。その結果、1.MWBIモデルでは明らかな病理学的変化が生じている。すなわち、大脳皮質、海馬を中心に、(1)神経細胞の変性(2)グリア細胞の浸潤が認められた。2.その病理学的変化は経時的に変化していく3.照射強度によって変化がある ことが示された。マイクロ波照射によって病理学的変化が生じていることを確認し、照射量によってその変化が違うことが示されたことは、従来なかった新しいタイプの脳損傷モデルとして、このMWBIモデルが位置づけられることを示しており、新しい成果が示された。次年度においては、さらにこのモデルを用いて、行動異常を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「I.本実験モデルによって作成される脳損傷の病態を病理学的に検索」については、概ね予想された結果を得ることができたため。「II. 軽度MWBIモデルで出現する行動異常の解析」については、実験計画を作成済で、すぐに着手できる状況となっており、I、IIの結果を合わせて、「III, 本実験モデルが現在、問題になっているびまん性脳損傷の高次機能障害を解明するモデルとなりえるのか、あるいは、爆発損傷に伴う頭部外傷と関連があるか否か、を解明する」予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、MWBIモデルにおける行動異常を解析し、その行動異常の特徴を把握する。特に、うつ的傾向や短期記憶障害などに着目する。これらの行動異常がどの程度の照射によって出現するのかを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に用いるラットの他、実験に使用する試料などの消耗品、成果発表等のための出張費 等を予定している。
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Research Products
(3 results)