2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659897
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松香 芳三 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90243477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
松尾 龍二 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30157268)
小熊 惠二 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00002262)
山本 由弥子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20403496)
熊田 愛 岡山大学, 大学病院, 医員 (40610895)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ボツリヌス毒素 / 神経細胞 / 活性 / 長寿命化 / トレハロース / 海馬 / 三叉神経 |
Research Abstract |
歯科補綴臨床は口腔機能を回復することが治療目標であり、そのために我々は日々の診療を行っている。口腔機能回復には形態的、機能的な再建・再生が必要であり、不幸にして下顎骨が離断された患者では骨組織再生とともに知覚・運動などの機能的な神経再生が求められる。形態的な骨組織再生は近年著しい進歩が認められるが、機能的な神経再生に関しては、今後更なる発展が必要であり、大いに期待される分野である。我々は三叉神経節細胞培養過程において、毒素成分のみを精製した精製A型ボツリヌス毒素(BoNT/A)を加えると、その寿命が延長されることを偶然発見した。そのため、本研究においてはBoNT/Aの神経細胞長寿命化の効果、神経切断モデルでの神経再生効果、アルツハイマーなどのモデルマウスへの脳内注射による病態進行抑制効果に関して検討する。精製A型ボツリヌス毒素(BoNT/A)培養による神経細胞の変化 BoNT/Aが神経細胞を長寿命化・活性化するのかを観察した。ペントバルビタール麻酔下でラットから三叉神経節を摘出し、コラゲナーゼとトリプシン処理を行い、細胞を分離した。分離された神経節細胞はマトリゲル処理を行った37℃ CO2チャンバー内で培養した。また、海馬細胞は市販のものを使用した。BoNT/A培養群においてはBoNT/Aを10MLD添加した。その後、経時的に、細胞形態の変化を観察・記録し、コントロール群と比較したところ、細胞寿命が長期化することが観察された。また、細胞から発生する樹状突起長を計測すると、BoNT/A添加群の方が長いことが理解できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画である精製A型ボツリヌス毒素(BoNT/A)培養による神経細胞の変化に関しては、BoNT/Aが神経細胞を長寿命化・活性化するのかを観察した。ペントバルビタール麻酔下でラットから三叉神経節を摘出し、コラゲナーゼとトリプシン処理を行い、細胞を分離した。分離された神経節細胞はマトリゲル処理を行った37℃ CO2チャンバー内で培養した。また、海馬細胞は市販のラット細胞を使用した。BoNT/A培養群においてはBoNT/Aを10MLD添加した。その後、経時的に、細胞形態の変化を観察・記録し、コントロール群と比較したところ、細胞寿命が長期化することが観察された。また、細胞から発生する樹状突起長を計測すると、BoNT/A添加群の方が長いことが理解できた。 平成24年度の研究計画である下顎神経切断モデルへのBoNT/A投与による神経再生、アルツハイマーなどのモデルマウスへのBoNT/A投与による効果に関しては準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が使用しているBoNT/Aは神経毒素のみを高度に精製したものであるため、安定を得るためにトレハロースが添加されている。そのため、平成23年度の研究で観察されたBoNT/A投与による神経細胞の活性化がトレハロースの影響によるものかもしれない。そのため、今後はトレハロースを単独で投与した場合の神経細胞の反応を観察する予定である。 また、平成24年度の研究計画である下顎神経切断モデルへのBoNT/A投与による神経再生、アルツハイマーなどのモデルマウスへのBoNT/A投与による効果に関する観察を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度内に所要額をすべて使用するように計画していたが、実験の進行に合わせた材料購入が少し遅れたため、所要額と実支出額間に差が生じた。平成24年度は実験動物、実験材料、旅費を使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Intradermal injection of Botulinum toxin type A alleviates infraorbital nerve constriction-induced thermal hyperalgesia in an operant assay2012
Author(s)
Kumada A, Matsuka Y, Spigelman I, Maruhama K, Yamamoto Y, Neubert JK, Noland TA, Watanabe K, Maekawa K, Kamioka H, Yamashiro T, Kuboki T, Oguma K
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Journal Title
Journal of Oral Rehabilitation
Volume: 39
Pages: 63-72
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Guidelines and recommendations for assessment of somatosensory function in orofacial pain conditions - a taskforce report2011
Author(s)
Svensson P, Baad-Hansen L, Pigg M, List T, Eliav E, Ettlin D, Michelotti A, Tsukiyama Y, Matsuka Y, Jaaskelainen SK, Essick G, Greenspan JD, Drangsholt M
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Journal Title
Journal of Oral Rehabilitation
Volume: 38
Pages: 366-394
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Botulinum toxin type A neurotoxin endocytosis into trigeminal neuron and its effect onto neuropathic pain beahavior2011
Author(s)
Kumada A, Matsuka Y, Yamamoto Y, Suzuki T, Spigelman I, Neubert JK, Nolan TA, Watanabe K, Maruhama K, Maekawa K, Kamioka H, Yamashiro T, Kuboki T, Oguma K
Organizer
International Union of Microbiological Societies 2011 Congress
Place of Presentation
Sapporo
Year and Date
2011 – 97
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[Presentation] Botulinum neurotoxin type A endocytosis into trigeminal neurons and its effect on neuropathic pain behavior2011
Author(s)
Maruhama K, Kumada A, Matsuka Y, Spigelman I, Neubert JK, Nolan TA, Yamamoto Y, Suzuki T, Maekawa K, Kamioka H, Yamashiro T, Kuboki T, Oguma K
Organizer
Society for Neuroscience
Place of Presentation
Washington DC
Year and Date
2011 – 1115