2011 Fiscal Year Research-status Report
細胞破壊と細胞組み込みによる新たな悪性腫瘍治療法の開発
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23659942
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比 英晴 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90345885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 実 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00151803)
山本 朗仁 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50244083)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
本年度は定性的な評価をした.下顎骨の片側を区域切除し,形成した骨片に液体窒素凍結処理を施し,それに(1)細胞なし,(2)骨髄単核細胞,(3)培養骨髄間質細胞のそれぞれを組み込んだうえで再植し,その後の治癒過程をX線学的,組織学的に評価した.具体的な実験概要は以下の通りである.1.実験動物:ラットを用いた.2.細胞培養:骨髄液を採取し,骨髄間質細胞を分離,培養し増殖させた.培養過程で細胞を蛍光標識した.3.手術および骨片等処理:術中に以下の(1)から(5)まで進めた.(1)下顎骨部分切除:下顎片側だけ下顎骨角部から骨膜を含めて部分切除をした.(2)骨片の液体窒素凍結処理:ヘパリン加生食水で洗浄し骨膜を除去した骨片に,凍結時の破折防止のため1mm間隔で皮質骨を穿孔した.骨片を液体窒素中に10分間浸漬した後に5分間の室温放置,5分間の生食水中浸漬をした.(3)骨髄単核細胞分離:骨髄液をから,percoll密度勾配遠心法により単核細胞分画を調製した.細胞は蛍光標識をした.(4)組み込み処理とその条件設定:骨片の穿孔部から次の一定量を注入した.対照群(1)細胞なし(リン酸緩衝液),実験群(2)骨髄単核細胞,(3)骨髄間質細胞とした.(5)再植:骨片を復位し固定し顎下部を閉創した.4.評価:術後2,4,8週でX線学的および組織学的に骨片とその周囲を観察した.蛍光顕微鏡像を画像解析し,それぞれから骨微細構造と細胞の動態を把握し,結果を評価した.このフィードバックにより実験系を再構築している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に無理がなく,その内容が妥当であったためであると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして,その定性的評価を継続するのとあわせて,次の定量的な評価もする. 下顎骨の片側を部分切除し,形成した骨片に液体窒素凍結処理を施し,組み込む細胞の種類,数,分化度,適用方法を変数にした条件を設定し,組み込み処理についての至適条件を求める.さらにその条件の組み合わせにより最適条件を求める. また骨片に骨膜付きの条件も設定し,生着に及ぼす影響を調べる.さらに骨以外に筋や神経,血管についても同様の試みを検討する.それらは単体のみならず,骨を中心に複合した状態も想定する. さらに骨再生医療について同様の取り組みをしているドイツのフライブルク大学に,日本学術振興会特定国派遣研究者として,訪問し情報交換をする.ここで単に情報を得るだけにとどまらず,今後の共同研究に発展させることができるような基盤づくりに励む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもに消耗品などの物品費に,またフライブルク大学での情報収集に必要な物品にも充当する.
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Research Products
(8 results)