2012 Fiscal Year Research-status Report
心を測る:不正咬合がもたらす心理的障害の脳機能イメージング
Project/Area Number |
23659964
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泰羅 雅登 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50179397)
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Keywords | 矯正治療 / 発音 / 自己評価 / 構音分析 / 発音困難度 / 精度 |
Research Abstract |
矯正治療において、矯正装置装着直後に患者は発音の困難さを感じるが、一定期間経過後に改善することが質問紙等を用いた研究から明らかにされている。しかし、矯正装置装着に伴う構音時脳賦活状態の変化およびその経時的な変化については未だ報告がない。そこで、我々は、矯正治療で用いられるリテーナーを用い、装着後の発音に関する被験者の自己評価および構音分析を行った。健常成人9名について、リテーナー装着から1(Day1)、3(Day3)、7(Day7)日後において、発音困難度の主観的評価(VAS scoreによる)および構音の精度[音声認識システム (Voice Analyzer, Toshiba Digital Media Engineering Co., Tokyo, Japan)による]を解析した。その結果、発音の困難さに関する自己評価は経時的に低下した。各被験者のVAS scoreについて1要因の分散分析を行ったところ、装着条件(Day1、3、7)の主効果が有意であった[F(2,16)=15.712, p<.001]。また、Ryan法による多重比較(α=.05)の結果、Day1-Day3、Day3-Day7、Day1-Day7のいずれの組み合わせにおいてもVAS scoreに有意な差が認められた。一方、音声認識システムによる構音分析においては、被験音全体の認識率の平均値 においてControlと比べてDay1、3、7において低下する傾向が認められたものの、装着条件(control、Day1、3、7)×音節(さ、し、す、せ、そ)の2要因分散分析を行った結果、いずれの主効果、交互作用とも有意ではなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発音困難さに関する機能的磁気共鳴画像法(fMRI)データを採得するにあたり、使用MR装置の搬出および交換が迫っていたが、それまでにデータ採得は完了し、現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した発音困難さに関する機能的磁気共鳴画像法(fMRI)データの解析を進め、行動学的実験データとの相関まで行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ解析が終了したら直ちに関連学会、シンポジウム等で発表し当該分野における研究者との討議に供するための旅費等に使用する予定である。
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