2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト型抗GTF抗体をイネに産生させた食べるう蝕予防ワクチンの開発
Project/Area Number |
23659968
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤原 卓 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00228975)
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Keywords | う蝕 / ワクチン / GTF / イネ |
Research Abstract |
本研究の目的はう蝕予防のためのワクチンを作成する試みとして,一般的には抗原を投与して,抗体誘導をはかるが,いろいろな副作用が考えられる抗原を免疫するのではなく,抗体を利用する受動免疫によるワクチネーションの手段を想定している.さらに.利用する抗体も安全性に疑問があるがん細胞由来のハイブリドーマーなどではなく,最終目標はヒト型抗体をイネに産生させるという食べるワクチンをめざしている. 前年度からの課題として抗原性の高い領域の解析を行うなかで,他のレンサ球菌や乳酸桿菌が保持しているグルコシルトランスフェラーゼ(GTF)の遺伝子配列の比較を行った.その解析の過程でS. mutansのGTF遺伝子の祖先は乳酸桿菌のものと想定され,遺伝子の水平伝播によって口腔のレンサ球菌に取り込まれた可能性が高いことがあきらかとなった.この結果はGTFを保持しているレンサ球菌(S.mutans, S. sobrinus, S.oralis, S.sanguinis, S. salivarius)は全て口腔由来であることと一致している. これらの結果は,今後ミュータンスレンサ球菌のGTF特異的なワクチン標的部位を選定する上で,大きな手がかりを提供するものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,研究室の移転が春にあり,研究環境の再構築に時間がかかってしまったため,研究の中心がin silico(計算機上)のものとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
ハイブリドーマーの構築と植物への遺伝子組換えの体制を構築する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
植物への遺伝子組換えのに必要な試薬,器材の購入 技術導入の情報収集,および学会での成果発表のための旅費等
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