2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659989
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
中道 郁夫 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60419570)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
後藤 健一 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30549887)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50316155)
藤澤 律子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50419587)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | tooth / heart function |
Research Abstract |
福岡県住民657名を対象にして、心機能マーカーのNT-pro-BNP血中濃度を測定した。口腔所見では、健全歯数、未処置歯数、処置歯数、喪失歯数、残存歯数、残存根除去歯数、プロービング後出血、歯周ポケットの深さ、アタッチメントロスを測定した。また、咀嚼機能として咀嚼可能食品数も聴取した。アタッチメントロス平均2.4±1.3、アタッチメントロス最大5.2±2.0、プロービング後出血0.08±0.01、ポケット深さ平均2.1±0.6、ポケット深さ最大4.2±1.4、健全歯数11.4±6.7、残存歯数23.3±6.3、未処置歯数0.5±1.2、咀嚼食品数17.3±3.4であった。NT-pro-BNP90.9±165.3であった。NT-pro-BNP血清濃度は単相関で喪失歯数と正の関係(r=0.161,P=0.000)、健全歯数と負の関係(r=-0.132, P=0.002)、残存歯数と負の関係(r=-0.166,P=0.000)、アタッチメントロス平均と正の関係(r=0.154,P=0.000)、アタッチメントロス最大と正の関係(r=0.098,P=0.0114)、ポケット深さ平均と正の関係(r=0.104,P=0.014)を認めた。しかし、重回帰分析を用いて性差と年齢で補正を行うと、NT-pro-BNP血清濃度と健全歯数(β=-0.071,P=0.091)、喪失歯数(β=0.078,P=0.062)、残存歯数(β=-0.077,P=0.071)、アタッチメントロス最大(β=0.023,P=0.584)、ポケット深さ平均(β=0.012,R=0.784)の関係は全て有意ではなくなった。このことから、NT-pro-BNP血清濃度と喪失歯数、健全歯数、残存歯数、アタッチメントロス平均、アタッチメントロス最大の関係は性差と年齢差の影響によるもので独立した関連はないことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画の平成23年度に記載した「福岡県居住の地域住民で我々がこれまでに行った以下の調査研究を実施した研究対象者で冷凍保存血清が利用可能な657名(平均年齢64.4 歳、男47%,女53%;65歳前期高齢者住民123名;60歳高齢者前270 名;61から81歳(平均69 歳)住民264 名)を対象にして、血中NT-pro-BNP、BNP、ANP、HbA1c濃度を測定する。並行して性別、年齢、末梢血球(WBC、RBC、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、Plt)、血液生化学検査(TP、Alb、GOT、GPT、γGTP、Cr、BUN、UA、T.Chol、HDL、TG、LDL、LPO、BS、HbA1c、Zn、IRI、ghrelin、Leptin、Adiponectin)、血清学(高感度CRP)、口腔所見(健全歯数、未処置歯数、処置歯数、喪失歯数、残存歯数、残存根除去歯数)、歯周組織評価(プロービング後出血、歯周ポケットの深さ、アタッチメントロス)、咀嚼可能食品数(ピーナッツ、たくあん、堅焼き煎餅、フランスパン、ビフテキ、酢だこ、らっきょう、貝柱の干物、するめ、イカの刺身、こんにゃく、ちくわ、ごはん、まぐろの刺身、うなぎの蒲焼、きゅうり、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、きゃべつの千切りを解析する。これらの結果から心不全マーカーの血中NT-pro-BNPと口腔所見との関係を解明する」について、ほぼ完全に実施・検証した。
|
Strategy for Future Research Activity |
(平成24年度)(1) 研究対象: 附属病院内科を受診した60歳以上の高齢患者を対象とする。(2) 実施検査項目: 心臓超音波検査、24時間ホルター心電図検査を実施する。心臓超音波検査では、IVSTD, IVIDD, LVPWD, EDV, HR, IVSTS, LVIDS, LVPWS,ESV, CO, SV, EF, FS, RVD, LAD, AoD, DDR, A/E, EPSS を胸骨左縁左室長軸断面から、Mitral blood flow (E/A)を心尖部左室長軸断面の僧帽弁口左室流入速度パルスドップラーから計測する。24時間ホルター心電図検査では、一日の単発心室性期外収縮数、連発心室性期外収縮数、単発上室性期外収縮数、連発上室性期外収縮数、一日の上室性頻拍数、心室性頻拍数、最大R-R間隔、洞房ブロック・房室ブロックの有無。一日最大・最小・平均心拍数。心拍数とSTレベルとの関係を計測する。並行して、性別、年齢、末梢血球(WBC、RBC、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、Plt)、血液生化学検査(TP、Alb、GOT、GPT、γGTP、Cr、BUN、UA、T.Chol、HDL、TG、LDL、LPO、BS、HbA1c、口腔所見(健全歯数、未処置歯数、処置歯数、喪失歯数、残存歯数、残存根除去歯数)を解析対象とする。(平成25年度)研究の統計的解析と論文作成・投稿など、得られた成果の発表を行う。本研究では主に重回帰分析やロジスティック回帰分析を用い、目的因子を心臓超音波検査・ホルター心電図検査計測値、血中NT-pro-BNP、BNP、ANP値とし、歯・口腔・咀嚼機能(歯の状況;現在歯数、健全歯数、残根数、未処置歯数、修復歯数、喪失歯数: 歯周組織評価;プロービング後出血、歯周ポケットの深さ、アタッチメントロス: 咀嚼可能食品数などによる咀嚼能力)との関係を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) 研究対象: 附属病院内科を受診した60歳以上の高齢患者を対象とする。(2) 実施検査項目: 心臓超音波検査、24時間ホルター心電図検査と血中NT-pro-BNP、BNP、ANP、HbA1c濃度を測定する。心臓超音波検査では、IVSTD, IVIDD, LVPWD, EDV, HR, IVSTS, LVIDS, LVPWS,ESV, CO, SV, EF, FS, RVD, LAD, AoD, DDR, A/E, EPSS を胸骨左縁左室長軸断面から、Mitral blood flow (E/A)を心尖部左室長軸断面の僧帽弁口左室流入速度パルスドップラーから計測する。24時間ホルター心電図検査では、一日の単発心室性期外収縮数、連発心室性期外収縮数、単発上室性期外収縮数、連発上室性期外収縮数、一日の上室性頻拍数、心室性頻拍数、最大R-R間隔、洞房ブロック・房室ブロックの有無。一日最大・最小・平均心拍数。心拍数とSTレベルとの関係を計測する。(3)並行して解析する項目: 性別、年齢、末梢血球(WBC、RBC、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、Plt)、血液生化学検査(TP、Alb、GOT、GPT、γGTP、Cr、BUN、UA、T.Chol、HDL、TG、LDL、LPO、BS、HbA1c、口腔所見(健全歯数、未処置歯数、処置歯数、喪失歯数、残存歯数、残存根除去歯数)を解析対象とする。
|
Research Products
(5 results)