2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659989
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
中道 郁夫 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60419570)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
後藤 健一 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30549887)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50316155)
藤澤 律子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50419587)
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Keywords | 歯 / 心臓機能 / 高齢者 |
Research Abstract |
口腔と心臓機能の関連の研究は国内外ともに稀である。本申請研究ではこの関連を解明することを目的とする。 平成23年度は、福岡県住民657名を対象にして、心機能マーカーのNT-pro-BNP血中濃度と口腔所見の健全歯数、未処置歯数、処置歯数、喪失歯数、残存歯数、残存根除去歯数、プロービング後出血、歯周ポケットの深さ、アタッチメントロス、咀嚼機能としての咀嚼可能食品数を測定した。NT-pro-BNP血清濃度は単相関で喪失歯数、健全歯数、残存歯数、アタッチメントロス平均、アタッチメントロス最大、ポケット深さ平均と有意の関係を認めたが、重回帰分析で性差と年齢で補正を行うとこれらの関係は全て消失したことから、NT-pro-BNP血清濃度と口腔機能の関係は性差と年齢差の影響によるもので独立した関連はないことを示した。 平成24年度は、附属病院で心臓超音波検査を受けた52名と24時間心電図の検査を受けた62名で、口腔機能と心臓機能の関係を検討した。心臓超音波検査による左室拡張期径・収縮期径、左室後壁厚、心室中隔厚、1回心拍出量、心拍出量、左室駆出率、左房径、大動脈径、左室流入拡張早期波・心房収縮期波と残存歯数、健全歯数、アイヒナー指数の間に有関係は認められなかった。24時間心電図の上室性期外収縮数は義歯装着後のアイヒナー分類Aで1日当たり26個、Bで114個、Cで224個と3群で差を認めた。心室性期外収縮連発(+)群の残存歯数21.7本と(-)群の12.2本;上室性期外収縮連発(+)群の残存歯数11.6本と(-)群の18.8本;上室性頻拍ショートラン(+)群の残存歯数0本と(-)群の15.9本、(+)群の健全歯数7.3本、(-)群0本とそれぞれに差を認めた。年齢と性別補正後もこれらの不整脈と歯科データの間に有意な関係が残ったことから、歯数・咬合と不整脈に関係がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に提出した交付申請書に記載した研究目的の研究(1)本学附属病院内科を受診し心臓超音波検査・24時間ホルター心電図検査を受けた60歳以上の高齢患者を対象に口腔と心機能の関連を明らかにする。研究(2) 60・65歳393 名、61―81歳260 名(計653 名)の心機能と口腔・歯・歯周病の関連を明らかにする。心臓機能として本研究では血中NT-ProBNP を測定する。この2つの研究を平成24年度と平成23年度にそれぞれ研究実施計画通り実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度当初に作成して提出した交付申請書の研究実施計画の平成25年度の部分に記載した通り、統計的解析と論文作成・投稿など、得られた結果をまとめ成果の発表を行う。本研究では主に重回帰分析やロジスティック回帰分析を用い、目的因子を心臓超音波検査・ホルター心電図検査計測値、血中NT-pro-BNP、BNP、ANP値とし、歯・口腔・咀嚼機能(歯の状況;現在歯数、健全歯数、残根数、未処置歯数、修復歯数、喪失歯数: 歯周組織評価;プロービング後出血、歯周ポケットの深さ、アタッチメントロス: 咀嚼可能食品数などによる咀嚼能力)との関係をさらに詳細に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究解析のための統計ソフト購入、学会発表や論文作成のための図書購入・文献館外依頼費・文献コピー代、学会発表時の国内旅費・国外旅費、論文作成時の英文校正料、論文投稿料、論文別刷料、プリンタートナー代を平成25年度研究費として使用予定。
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Research Products
(10 results)