2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学教員の就労特性とキャリア支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
23659995
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田中 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (20286371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
酒井 一博 公益財団法人労働科学研究所, その他部局等, 所長 (90072660)
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Keywords | 看護系大学教員 / キャリア / 裁量労働 / 専門業務型裁量労働制 / ストレス / 学位 / タイム・マネージメント |
Research Abstract |
本研究ではa.看護系大学教員の就労特性を明らかにし、b.専門業務型裁量労働制(あるいは実態としての裁量労働制)の下で、教育成果を上げながらキャリア形成を促す働き方を検討することを目的とした。 平成23年には、看護系大学教員を対象にした先行研究の文献検討を行った。教育の質の検討や臨床との連携などは多くの研究がなされているが、働き方や負担に言及したものはほとんどなかった。働き方や労働負担に関する研究の蓄積の必要性が示唆された。この研究成果は、第38回日本看護研究学会、平成24年8月で発表した。 平成24年は、働きながら博士号を取得した看護系大学教員4名へのインタビュー調査と99か所の看護系大学教員へのアンケート調査をおこなった。インタビュー調査では、いずれの対象者も仕事の過重負担、出産や子育てなど様々なライフイベントを抱えながら学位を取得しており、タイム・マネージメントの在り方が重要であることがわかった。またいずれも組織的・社会的支援はほとんど受けることなく独力で、さらに家族や身近な人の理解に支えられて学位取得を達成していた。 アンケート調査(543名対象)では③全国の一般女性労働者よりも心理的な仕事の負担(量と質)がやや高かった、④博士課程に在学中の39.2%が助教、修士課程に在学中の者の60.0%が助手であった、⑤助手と助教は教授より職場の対人関係でのストレス得点が有意に高かった、⑥博士課程在学中の者は在学していない者より職場の対人関係でのストレス得点が有意に高かった。以上のことから仕事の量と質の負担軽減に努めること、助手や助教のストレスに配慮して職場における良好な人間関係を構築していくこと、進学している教員に支援策を提供していくことの重要性が示唆された。この研究成果は、第39回日本看護研究学会(平成25年8月)で発表予定、雑誌「労働科学」に投稿予定である。
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Research Products
(2 results)