2012 Fiscal Year Research-status Report
外来化学療法を受けて生活するがん患者のサバイバーシップを支援する看護モデルの開発
Project/Area Number |
23660048
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
田村 幸子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (50454228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 惠子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (10324039)
佐々木 榮子 和歌山県立医科大学, 大学院保健看護学研究科, 特任教授 (80320688)
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Keywords | がんサバイバー |
Research Abstract |
1.実施 平成23年度に実施した全国調査(対象はがん診療連携拠点病院で外来化学療法を受けて生活する壮年期がん患者で、830名分回収)の粗データについて、平成24年度は統計的分析(ソフトを用いて基本統計量を算出し、各項目間の関係性を確認)した。これらの分析結果を基に報告書の作成と取り組んだ。また今後のケアモデル開発にあたり、ケアの方向性について考察した。 2. 結果 統計的分析(項目間の関係性)の概要は、身体側面では、「痛み」と「痛み以外の症状」が「買い物」「掃除・洗濯」「清潔・整容」に影響していた。精神・心理側面では、「痛み」と「痛み以外の症状」が「不安」「うつ」に影響していた。生活の質(QOL)については、「痛み」と「痛み以外の症状」、「生活基本動作の自立」、「不安・うつ」が「活動性」「身体活動」「精神・心理活動」「社会性」の全カテゴリに影響していた。その他「同居者」は「社会性」カテゴリと、「就業」は「活動性」カテゴリと関連性がみられた。報告書は完成し、研究協力施設(全国がん診療連携拠点病院388施設)あてに送付した。ケアの方向性については、生活の身体側面では症状のマネジメントが必要であり、知識・技術の教育・指導および社会資源が利用できるよう情報提供やサポートが重要である。精神・心理側面では不安を受けとめる場の構築が必要であり、場を通じて不安・うつの予防的サポートが重要である。社会側面では就業、家族役割の変化、社会的孤立等への対策が必要であり、社会資源が利用できるよう情報提供やサポートすると共に自己尊重・自己効力を促す方向からの支援が重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究分担者の変更(削除)により実質上単独研究となってしまい、粗データの統計的分析が少し遅れたが、報告書の完成までを一通り終えることができた。 2.研究協力施設(全国がん診療連携拠点病院388施設)あてに調査報告書を送付することができた。 3.ケアの方向性について考察することができた。 4.調査結果とケアの方向性までのまとめ成果を、国際学会で発表する予定でおり、既に採択されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成25年度は、がん患者のサバイバーシップを支援する看護モデルを完成する。 2.平成23~24年度の実態調査およびケアの方向性までの成果を国際学会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ケアモデル試用協力施設での説明会開催に係る交通費、英論文作成費(英文校正費、英訳証明書費など)、成果発表に係る旅費(国際学会での発表を予定)
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