2013 Fiscal Year Annual Research Report
インタラクティブな再ランキング・再サーチを可能とする次世代検索に関する研究
Project/Area Number |
23680006
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中村 聡史 明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50415858)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | サーチインタラクション / インタラクション / 検索 / 再ランキング / 再検索 |
Research Abstract |
本研究の目的は,情報検索におけるユーザの意図やユーザがおかれた状況,プロファイルや検索意図の移り変わりなどを,押しつけでないインタラクションにより引き出しつつ,検索を可能とする手法を実現することである. 本年度は,検索ユーザが利用するマウスの動きや入力した検索キーワード,ユーザの視線の動きなどを常時監視し,そのマウスや視線などの動きから,ユーザが次にどのようなクエリ修正を行おうとしているのかということを推定する手法を提案した.また,ユーザ実験によってログデータを収集し,そのログの部分部分に対してどういうクエリ修正が行われているのかというラベル付けを行い,そのラベルに対する分類精度について有効性の検証を行った.その結果,ページ中の周辺領域への注目や広告情報への注目,検索クエリの長さなどが推定に有用であることがわかった.また,このユーザの行動を収集するツールを改良するとともに,検索行動に不慣れなユーザの検索行動の収集も行った. マルチメディアコンテンツの検索に適用するため,膨大なマルチメディアコンテンツのアーカイブである主観写真ライフログ(デジタルカメラを用いて個人視点で興味を切り取るもの)に対する検索を容易にするため,日時や場所,人間関係などを利用することで探索可能とする仕組みを実現し,その有効性を明らかにするとともに,ソフトウェアのウェブ公開も行った.一方,動画共有サイトなどで公開されている動画に対する検索を可能とするため,動画に対するアノテーションや音響特徴などから,動画のジャンルを推定する研究も行った. ユーザの曖昧な検索意図を表現する際に擬音語や擬態語といったオノマトペが有効であると考え,オノマトペを検索キーワードとして利用するために,オノマトペがユーザにどのように使われているのかといった調査を行うことで,その使われ方の違いなどを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ユーザビヘイビアに基づく検索意図を推定するため,マウスの動きやユーザの視線の動きを収集するツールを改良し,ユーザの検索意図を推定する手法の改良を行った.また,Tobii以外のアイトラッキングシステムとして,Eye Tributeを購入及びテストした.精度は悪いながらもある程度のユーザの視線の動きを取得できたため,安価に数を揃えることが可能となり,日常的な視線検出の可能性が広がった. 一方,マルチメディアコンテンツへの適用として,写真ライフログからの目的写真探索のため,ユーザの行動に基づく写真検索手法などを実現し,その長期的な利用から有効性を明らかにすることができた.さらに,動画に対するソーシャルアノテーションから,動画のランキングなどを実現できたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
マルチメディアコンテンツへの適用: 平成25年度に取り組んできたマルチメディアコンテンツの検索技術をさらに推し進め,多様なメディアを複合的に扱い,画像や動画などへのインタラクションにより再ランキングできるような仕組みを実現する.ここでは平成25年度同様画像や動画の周辺テキストやソーシャルコメントやソーシャルブックマークなどの分析に基づくアノテーションとの関係を考慮する.また,プライベートに蓄積される写真ライフログから目的とする写真を探すための,再ランキング,再サーチ手法を改良し,人の記憶を刺激しつつ検索する方法を模索する. オノマトペを利用した再検索・再ランキングを可能とする手法の実現: 料理を探しだそうと思う場合,その料理名だけでなく,料理の印象などで検索を行いたい場合が多くある.また,ライフログなどの検索においては,そもそも検索キーワードを指定した検索は難しい.そこで,擬音語・擬態語などのオノマトペを利用し情報の再検索および再ランキングを可能とすることで,ユーザの頭に思い浮かべた印象に基づき目的とするコンテンツにたどり着くことを可能とする手法を実現する.また,オノマトペ自体の特性についても,ユーザのそのオノマトペに対する理解について深く分析を行う. ユーザビヘイビアの分析とモデル化: これまdねい開発してきたユーザの入力したクエリや閲覧したウェブページ,マウスの動きやユーザの視線の動きを収集するツールを利用し,情報検索に慣れていないユーザと,情報検索に慣れているユーザとの間の振る舞いを比較分析し,その検索に対する慣れ具合に基づく情報到達容易性についてモデル化を行う.
|
Research Products
(9 results)