2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23685015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大木 靖弘 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10324394)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 金属-硫黄クラスター / ニトロゲナーゼ / 一酸化炭素デヒドロゲナーゼ / 鉄 / 硫黄 |
Research Abstract |
窒素や一酸化炭素等の小分子を変換する金属酵素の活性中心には、共通して鉄ともう一種類の金属を含む金属-硫黄クラスターが存在する。代表例の一つは、バナジウムを含むニトロゲナーゼの活性中心、FeV-cofactorである。本年度の研究では、FeV-cofactorの構造を念頭に、新規V/Fe/Sクラスターの合成を検討した。 我々が独自に開発してきた鉄-硫黄クラスター合成反応、すなわちかさ高いチオラート配位子を持つ中性の鉄(II)チオラーと錯体に対して非極性の有機溶媒中で無機硫黄を作用させる反応を参考にしつつ、適切なバナジウム錯体を共存させることで、V/Fe/Sクラスターの合成を目指した。まず前駆バナジウム錯体として、フェノキシドを含むジアニオン性の三座[O,P,O]もしくは[O,O,O]配位子およびチオラートを持つV(III)錯体を合成した。続いて、これらのバナジウム錯体と鉄(II)チオラート錯体および無機硫黄をトルエン中で混合したところ、[O,P,O]三座配位子を持つバナジウム錯体を用いた場合にはダブルキュバン型[VFe3S4]-[VFe3S4]クラスターが、[O,O,O]三座配位子を持つバナジウム錯体を用いた場合にはバナジウムと3つの鉄、4つの硫黄を含むキュバン骨格の外側にもう一つ鉄を結合させた[VFe3S4-Fe]型クラスターが生成した。ダブルキュバン型クラスターは、骨格構造としては先例があるものの、今回合成したクラスターは従来のクラスターに比べ四電子分も酸化状態が高い。また、[VFe3S4-Fe]型クラスターは先例が無いだけでなく、一酸化炭素デヒドロゲナーゼの活性中心構造を幾何学的に模倣する点で興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)