2012 Fiscal Year Annual Research Report
運動制御レベルでの車両―インフラ協調による自動車の自動運転制御に関する研究
Project/Area Number |
23686038
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大前 学 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 准教授 (10327679)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自動車の自動運転システム / 高度道路交通情報システム(ITS) / 遠隔操縦 / 路車協調 / 電気自動車 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インフラ(路側の構造物に設置されたセンサや制御装置)と自動車が運動制御レベルでの協調が実現できることを、インフラからの車両誘導制御として実証し、その有用性と技術的妥当性を明らかにすることである。この実現ために、第一段階:認識手法、通信手法の個別評価、第二段階:認識手法、通信手法の複合化による信頼性向上、第三段階:運用実験の手順で研究を推進している。平成24年度は、平成23年度に引き続き、第一段階:認識手法、通信手法の個別評価の研究における、通信手法の個別評価、すなわち、インフラからの車両誘導のためのインフラ―車両間通信において、通信手法の差異が運動制御に及ぼす影響を評価した。さらに平成23年度のインフラからの車両認識手法の研究成果と組み合わせ、被誘導車両と誘導制御インフラのプロトタイプを構築し、車両誘導制御の開発と評価を行なった。 通信手法の個別評価としては、インフラ―車両間の情報伝達のサンプル周期、遅延時間が運動制御に与える評価をシミュレーションで評価した。実機評価においては、1.2GHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯の通信器による車両誘導制御を評価したが、いずれも事前評価で得られた結果同様、安定に車両誘導制御が実現できることを確認し、複合的に用いることで、制御性能を落とすことなく、信頼性を向上する可能性があることを確認した。 プロトタイプを構築では、被誘導車両として、受信した制御指令値により、操舵、駆動、制動を制御できる小型電気自動車を構築した。誘導制御インフラとしては、建物(新川崎タウンキャンパスO棟)屋上部に設置したカメラと認識システムによる誘導制御インフラ、路側に設置した1次元走査LiDARと認識システムによる誘導制御インフラを構築し、それぞれの誘導制御インフラからの誘導により、12km/h以下の速度域で安定に誘導制御が実現できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度、平成24年度は、研究計画として第三段階から成る研究のうち、第一段階を達成することを予定していた。平成24年度は、第一段階の研究として残されていた通信手法の個別評価を行い、第二段階に繋げるための被誘導車両と誘導制御インフラのプロトタイプを構築することができたので、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、第一段階:認識手法、通信手法の個別評価、第二段階:認識手法、通信手法の複合化による信頼性向上、第三段階:運用実験の、三段階の研究となっている。平成25年度は、信頼性の向上を主目的とした第二段階の研究を行なう。信頼性の向上としては、単一系での信頼性の向上、複数手法の併用の二つのアプローチがあり、平成25年度の研究では、全方位二次元LiDARによる車両認識・運動制御システムの構築、カメラ、LiDAR等による車両認識を併用することによる信頼性の向上を行なう。これにより、平成26年度に予定している第三段階の研究である運用実験につなげる。 現時点では研究計画の変更はない。
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