Research Abstract |
平成23年度は,以下の3つの研究課題に対して検討を行った。以下に得られた成果の概要を示す。 1)首都圏におけるコンクリート材料およびコンクリート構造物構成資材の環境特性値の調査 需要動向に関する統計情報の整理(東京都建築防災まちづくりセンター),実際の建設現場での資材情報やヒアリング調査を基に,ストックの蓄積量とそれに伴い生じる製造時・施工時の環境負荷量を計算するための基礎的情報を整理した。 2)各種廃棄物起源材料,震災廃棄物・災害対応資材の発生特性分析ならびに微細構造分析 当初計画に,東日本大震災の影響を考慮し,現場解体材,混合廃棄物,解体コンクリート塊,二次副産微粉末,災害廃棄物等および当該材料を用いた災害対応材料・資材を,砕石場,都内近郊中間処理場,再生骨材製造プラントおよび被災現場での情報収集,実験室レベルでの試験体の作製・評価を行い,平常時と災害時を区別した物質・材料・資材の発生特性と材料性能を評価した。 3)首都圏におけるコンクリート材料およびコンクリート構造物の需給構造・環境負荷評価 上記1)2)における材料・資材情報および排出・廃棄物データを用いて,首都圏を対象とした条件に,災害地における地域性を踏まえた条件を加え,コンクリート材料およびコンクリート構造物を中心に材料・資材利用構造の評価,輸送車台サイズを意識した輸送時環境負荷量を評価するとともに,災害対応建材を用いた建材の基礎力学特性・耐久性を評価した。 なお,上記を通じ,当初は首都直下地震関連統計資料をもとに検討を進める計画であったが,東日本大震災が発生したことにより,被災現場に多数回赴き,短期~中長期的な視点での減災対策や環境影響をより具体的な調査・検証を踏まえ,今後の課題を見定めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,当初掲げた3つの研究課題に対して検討を行うことに加え,東日本大震災が発生したことにより,本研究課題である「都市減災・早期復興に資する震災廃棄物起源材料の高度利活用研究」を社会的にも実証することが求められる状況になり,日本の社会構造特性を前提した実質的対応の特徴が明確になった。従って,研究上の視点と今後の進め方が深く考察されたことに加え,当初計画の検討についても研究室を主体に,関係者からの情報収集を積極的に重ねられ,多面的な検討が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に引き続き,東日本大震災からの復旧・復興の中長期的な対応状況を細かく分析し,被災現地や廃棄物等の材料・資材移動などのマテリアルフローの変化を法規制などの影響も考慮しながら,当初の計画どおりに実施する。なお,当該課題のアウトカムを具体的に提示することは,社会貢献にも繋がることであるため,
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