2012 Fiscal Year Annual Research Report
ISSBL方式と音響データ伝送によるAUVのナビゲーションに関する研究開発
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23686128
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
渡邊 佳孝 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 技術研究主任 (40359138)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 水中音響測位 / ナビゲーション / 水中音響通信 / SSBL / 海中探査機 |
Research Abstract |
本研究課題は、AUV (Autonomous Underwater Vehicle)の水中音響を用いた新たなナビゲーション手法に関する研究開発に関するものである。新たな手法では、AUV側に受波器アレイを装備してそれにより受信した音響信号から信号到来方向を検出、深度情報と合わせて母船からの相対位置を計算する。音響信号には母船の位置情報等が含まれ、それらを統合してAUV側にてリアルタイムに自分の絶対位置を計測できる。期間中の目標は、システムのプロトタイプ機を製作し、実海域での実証実験を行い、実用機開発のための知見を得、設計検討を行うことである。 本年度は、主に昨年度調達したハードウェアに対し、システムの主要な処理を行うソフトウェアを実装し、実証実験を行うための実験装置を構築することである。 母船に配置される送信装置については、母船装備のGPSから母船位置、スピードおよび針路情報を取得し、これらのデータを音響信号に変調して送信するようにした。海中に配置される受信装置は、4つのSSBL(Super Short Baseline)受波器アレイの受信信号を取得し、リアルタイムで方位推定処理、データ復調処理およびフィルタリング処理を行う。受信装置には、周辺センサ機器として、深度計、音速計、方位傾斜計を装備し、これらデータはフィルタリング処理に入力するようにした。また、受信信号の生データおよび各センサデータは、充分なサンプリングですべて記録し、これらを用いた後処理による再検討を行うことができるようにした。各データのフォーマット変換とセンサや送受信装置の制御装置として各々ホストCPUを製作し、以上を組み合わせて実証実験装置を完成させた。実験装置は、水槽での動作確認試験によりデバグ、修正を行った。 本装置をもって、次年度、実海域にて実証実験を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ソフトウェアの実装段階で、ハードウェアに一部不具合が発見されたため、平成24年度交付分を一部繰り越すこととした。 平成25年度、概ね繰り越し申請内容に沿ったスケジュールで進めることができ、平成25年度後半に予定されていた実海域での実証実験までに完成を間に合わせることができた。 また、平成24年度予算は概ね予定通りの執行状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、これまでに製作した実証実験機を用い、実海域にて実証実験を行うことが主な内容である。 実証実験は、海洋研究開発機構所有の海洋調査船「かいよう」を用いて行う。実験実施までに、母船側のGPSおよび船底送波器とのインターフェースの調整、連接しての動作確認試験等を実施し、実海域実験に備える。海中側の装置についても、必要に応じて水槽等で試験を行い、デバグ、確認作業を行う。同時に、シミュレーションや実証機製作の過程で得られた知見、懸案事項を踏まえ、実用機設計のための検討を進める。
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