2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23687012
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
野田 展生 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所・分子構造解析部, 主席研究員 (40396297)
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Keywords | オートファジー / Atg7 / Atg8 / 構造生物学 / E1酵素 |
Research Abstract |
Atg7の結晶構造を決定し,Atg7がN末端ドメイン(NTD)とC末端ドメイン(CTD)が短いリンカーでつながれた構造を持つことを明らかにした.Atg7NTDは既知のE1にはないユニークな構造を持ち,塩基性面でE2酵素Atg3と結合することを明らかにした.一方,Atg7CTDはE1酵素に保存されたアデニル化ドメイン(AD)と,Atg7に固有の最C末端ドメイン(ECTD)からなることを示した.さらにAtg7CTD-Atg8-ATP複合体について結晶構造を,またAtg7のECTDのテール部分とAtg8との複合体についてNMR構造を決定した.構造情報に基づき変異体Atg7およびAtg8を作製し,in vitroおよびin vivo両面での機能解析を行った結果,Atg7はまずECTDのC末端にあるフレキシブルな領域でAtg8を捉えたのち,Atg7のADへとAtg8を受け渡すという少なくとも二段階の認識を経てAtg8の活性化を行うことを明らかにした.Atg7により活性化されたAtg8は,つぎにAtg3へと受け渡される.この受け渡し反応にはAtg3の認識に関わるAtg7NTDが必須であるが,Atg7はホモダイマーを形成するため,NTDを2つ持ち,したがってAtg3も二分子結合することになる.Atg7により活性化されたAtg8が,2つのAtg3分子のどちらに効率的に受け渡されるのかを,一方のNTDのみ欠いたヘテロ二量体化Atg7を用いて検証した結果,Atg8は自身が結合しているAtg7分子に結合したAtg3(シス)ではなく,自身が結合しているAtg7分子と二量体を形成しているもう一分子のAtg7に結合したAtg3(トランス)へと受け渡されることが明らかとなった.これらの反応機構は既知のE1とは全く異なる新しいものであり,オートファジー特異的制御剤開発のための基盤となりうる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り,Atg7単体およびAtg8との複合体の構造決定に成功し,さらに二年目に計画していた機能解析に関して繰り上げて行うことで大幅な進展が見られた.
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Strategy for Future Research Activity |
Atg7によるAtg8の認識および活性化機構が明らかとなったため,次にAtg7によるAtg12の認識・活性化機構,Atg7によるE2酵素Atg3およびAtg10の認識機構を明らかにし,Atg7が担う反応全体の分子機構を明らかにする.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Structural basis of Atg8 activation by a homodimeric E1, Atg72011
Author(s)
Noda, N.N., Satoo, K., Fujioka, Y., Kumeta, H., Ogura, K., Nakatogawa, H., Ohsumi, Y., Inagaki, F.
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Journal Title
Molecular Cell
Volume: 44
Pages: 462-475
Peer Reviewed
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