2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23688021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 友也 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (90509142)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | セルロース / セルロース合成酵素 / 電子顕微鏡 / 単粒子解析 / 構造生物学 / 機能再構成 |
Research Abstract |
セルロース合成酵素は複数のサブユニットからなる複合体である。その構造解析のために、大腸菌発現系による組換え体セルロース合成酵素を得る実験系の構築を進めた。酢酸菌の合成酵素複合体は、BcsA, BcsB, BcsC, BcsDの4サブユニットからなると考えられているが、そのうち、最低限必要なサブユニットはAとBの二つと考えられている。これらの構造解析を進めるために、前年度に引き続きBcsAとBcsBの大腸菌共発現系を使い、精製実験を行ったが、構造解析に足る試料を得ることができなかった。 一方で、酢酸菌におけるセルロース合成活性を活性化するc-di-GMPを過剰生産させた大腸菌に、上述のBcsAとBcsBを発現させることで、セルロースを合成することのできる大腸菌形質転換体を得ることに成功した。以上から、本発現系による組換え体セルロース合成酵素が正しく発現しており、構造解析に使用可能である発現系であることが確認され、精製条件の検討が取るべき方針であることを確認した。 しかし上述のセルロース合成で得られたのはセルロースIIという非天然型の構造であり、天然型構造のセルロース合成に不十分であることが示唆された。そこでBcsAとBcsBに加えて、BcsCとBcsDも発現する大腸菌発現系を構築し、同様にセルロース合成を行わせたが、同様のセルロースIIが得られた。天然活性(セルロースI合成活性)の再構成のために必要な因子がまだ存在することが示された。 以上の大腸菌セルロース合成系をCESEC(Cellulose Synthesis in E. coli)と名付け、これを使い、点変異体によるセルロース合成を行わせ、保存性の高いアミノ酸を点変異させるとセルロース合成活性が消えることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題の初年度に、BcsBの精製タンパク質が得られ、構造解析に供したところ、適当な構造が得られたので、引き続き精製を進め、データ数を増やして構造解析を完遂させようとしたが、BcsBタンパク質の精製が再現できなくなり、構造解析を進めることができなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、構造解析の目的のためにタンパク質精製実験を行い、条件検討を行う。 また、昨年度までに大腸菌セルロース合成系の構築に成功した。本系は、組換え体を使ってセルロース合成酵素の機能解析ができる貴重な実験系であることから、変異体を使って合成活性を分析する機能解析実験を用いる。本解析の結果は、構造解析に適当なより安定なタンパク質試料を得るための条件最適化にも使用できる、構造解析の結果を考察するために重要な情報が得られるなど、本課題で目的とする構造解析に供する実験である。
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Research Products
(5 results)