2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23689006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 恵三 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (30516290)
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Keywords | 骨細胞 / 骨芽細胞 / 転写因子 / 転写制御 / iPSC / 胚葉体 / 分化 / コンディショナルノックアウト |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨細胞分化に関る転写制御機構を明らかにすることである。本年度では、骨細胞において重要な機能を発揮することが予想される候補転写因子のスクリーニングを2つの方法によって試みた。 第一の取り組みとして、マウス骨組織のトランスクリプトームデータを用いて、骨細胞特異的な遺伝子(Dmp1やSost)と同等な発現パターンを示す転写因子を探索した。その結果、骨細胞において高発現を呈する22個の転写因子を同定することに成功した。 一方、第二の取り組みとして、マウス頭蓋冠由来の骨芽細胞のトランスクリプトームデータから、既に同定している骨芽細胞分化に伴い発現上昇する163個の転写因子(JCI 120, 3455-3465, 2010)のloss of function解析を実施した。ヒトiPS細胞(Tic株)より誘導した胚葉体由来の細胞に対して、RUNX2を過剰発現することで、効率的にアルカリホスファターゼ活性、並びに石灰化結節形成能が高い骨芽細胞を分化誘導することができる。本方法で分化誘導される骨芽細胞を、頭蓋骨欠損モデルマウスへの移植実験に使用したところ、骨再生の亢進が観察されることから、生理的な骨芽細胞を誘導できていることを示唆している。そこで、この骨芽細胞に対して、ヒトshRNAライブラリーを用いた機能解析を実施した結果、ノックダウンに伴い石灰化結節形成能の低下を呈する3つの転写因子を同定した。以上の2つの方法によって得られた候補転写因子は、骨細胞あるいは前駆細胞である骨芽細胞の分化あるいは機能に何らかの影響をもつことが期待できる。そこで、本年度においては、これらの遺伝子の過剰発現解析あるいはノックダウン解析を実施することで、骨細胞あるいは骨芽細胞における役割を詳細に明らかにすることを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請計画に記載した初年度の目標は、骨細胞分化に関与する候補転写因子を同定することである。昨年度は、トランスクリプトームデータを用いた発現動態の解析によって、骨細胞で発現上昇する転写因子を明らかにできた。一方、一部の転写因子に対して、shRNAライブラリーを用いた機能解析も実施しており、候補転写因子の同定に成功していることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で同定に成功した候補転写因子を、過剰発現あるいはノックダウン解析することで、骨芽細胞および骨細胞分化に対する役割を明らかにする。特に、著しい機能をもつ遺伝子が同定された場合には、遺伝子改変マウスの作出に着手する。本研究では、骨芽細胞特異的にCre酵素を発現するCol1a1-Cre、および骨細胞特異的にCre酵素を発現するDmp1-Creのトランスジェニックマウスの系統が既に利用可能な状態にある。
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[Journal Article] MafB interacts with Gcm2 and regulates parathyroid hormone expression and parathyroid development2011
Author(s)
Kamitani-Kawamoto A, Hamada M, Moriguchi T, Miyai M, Saji F, Hatamura I, Nishikawa K, Takayanagi H, Hitoshi S, Ikenaka K, Hosoya T, Hotta Y, Takahashi S, Kataoka K
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Journal Title
Journal Bone and Mineral Research
Volume: 24
Pages: 2463-72
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