2013 Fiscal Year Annual Research Report
無線センサネットワークにおけるモバイル端末を用いたデータ収集に関する研究
Project/Area Number |
23700078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神崎 映光 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80403038)
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Keywords | 無線センサネットワーク / モバイルシンク / 移動体通信 |
Research Abstract |
無線センサネットワークにおいて、人や車両等がもつモバイル端末をデータ収集用端末(モバイルシンク)として利用する場合、これらモバイルシンクのもつ移動特性を考慮したデータ転送機構が必要となる。本研究課題では、モバイルシンクを導入した無線センサネットワークにおいて、センサデータの収集を高信頼・低遅延で実現することを目的とし、「1. モバイルシンクとの接続状況に基づくデータ転送」および「2. センサデータの特性を利用したデータ転送の効率化」の二つの課題について研究を推進した。平成25年度の成果は、それぞれ以下の通りである。 (1) モバイルシンクとの接続状況に基づくデータ転送:平成24年度に引き続き、モバイルシンクのいずれかのデータを転送するための通信制御手法について研究を推進した。平成25年度は、モバイルシンクの移動経路から大きく離れた位置に設定されたセンサ端末からのデータ収集を効率的に収集する手法を提案し、モバイルシンクの移動特性の偏りが極端な環境においても高信頼・低遅延なデータ収集を実現した。 (2) センサデータの特性を利用したデータ転送の効率化:自由に移動するモバイル端末が取得したセンサデータを用いて、センサネットワークにおいて要求される主要な情報の一つである観測値の境界線を効率的に検出する方法について研究を推進した。具体的には、境界線をまたぐ観測値をもち、互いに近傍に位置するモバイル端末を検知しつつ、それ以外の端末群がセンサデータの送信を自律的に停止することで、境界線の検出を低負荷で実現する手法を提案した。 上記の手法それぞれに対し、シミュレーション実験による性能評価を実施し、それぞれが想定する環境において、従来研究と比較してより効率的なデータ収集が実現できることを確認した。
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