2011 Fiscal Year Research-status Report
誘目性の高い講義映像コンテンツ自動生成システムの開発
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23700130
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
中村 亮太 東京工科大学, 片柳研究所, 研究員 (80460096)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 講義映像 / タブレット / 視線 / 自主学習 / ビデオ学習 |
Research Abstract |
平成23年度においては、まず、講師の発話語句と講義スライド中の語句とのマッチング精度を向上させるために、講義スライド中に存在する文字列を自動抽出した後にデータベースに登録する機能をプロトタイプシステムに実装した。次に、プロトタイプシステムによって作成された講義映像コンテンツを視聴しているときの学習者の視線について調査するために、視線測定器によって映像視聴中の学習者の視線を測定し、注視対象や注視時間について分析をおこなった。1. 講師の発話語句と講義スライド中の語句を同期させるためには、講師の発話情報を講義スライド上の語句に合わせて適切に文字に起こす必要がある。そこで講義スライドから文字列を自動的に抽出し、形態素解析によって意味のある語句のみをデータベースに登録する機能をプロトタイプシステムに実装した。本機能によって講師の発話情報はデータベースに登録された語句と照合しながら適切に文字起こしすることが可能であるため、従来よりも講師の発話語句と講義スライド中の語句のマッチング精度を向上させることが可能となった。2. プロトタイプシステムによって作成された誘目性の高い講義映像コンテンツを視聴しているときの学習者の視線情報を測定した。近年普及が進んでいるマルチタッチ対応のタブレット端末で学習することを想定して、マルチタッチ操作による講師映像ウィンドウと講義スライドウィンドウの拡大縮小・移動が可能なコンテンツを作成し、学習者に視聴させた。視線情報を分析した結果、学習者は講義スライド上で起こるテキストのアニメーション変化に同期して視線を移動させていたが、経過時間が長くなるにつれて視線の動きは減少し、次第に講師映像だけを長く注視する傾向がみられた。一方で、講義の中で重要な語句をラベルで隠す機構は学習者の視線を終始引きつけることができており、長時間の視聴においても効果が高いことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)講師の発話語句と講義スライド上の語句とのマッチング精度を向上させる仕組みの開発と、(2)長時間の講義映像コンテンツに対応した映像表現方法の定義に関する調査を実施した。(1)については、計画通りにマッチング精度を向上させる機能をプロトタイプシステムに実装することができたが、(2)については、長時間の映像コンテンツを視聴しているときの学習者の視線情報を分析した結果、考案した映像表現方法では画面構成変化とアニメーションのパターンが少ないために視聴時間が長くなるにつれて学習者の視線を引きつける効果が予想以上に低下したことから、長時間のコンテンツ視聴であっても学習者に飽きや不快感を与えにくいコンテンツ表示方法についてさらに検討する必要性が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)講義映像コンテンツを視聴しているときの視線の動きについて引き続き調査し、長時間のコンテンツ視聴であっても学習者に飽きや不快感を与えにくい表示方法を定義する。2)システムの実装ならびにシステムの評価実験を実施する。3)平成24年度までの研究成果を整理し、国内外の研究会・ワークショップなどで発表し、そこでの議論をふまえて研究成果をまとめ、学術論文として投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発した誘目性の高い講義映像コンテンツ自動生成システムに対して評価するために、24年度に繰り越された研究費を含めて評価実験用機材として計算機ならびにタブレット端末の購入,実験参加者への謝金に充てる。また、研究成果を発表するための学会参加費と旅費、学会発表での議論をふまえて研究成果をまとめ、学術論文として投稿した際に必要となる印刷代のために研究費を使用する計画である。
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