2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700188
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 画像,文章,音声等認識 / ディジタル信号処理 / 画像照合 / 位相限定相関法 / 個人認証 |
Research Abstract |
平成23年度は,非接触で撮影された画像から手のひら領域を高精度に抽出するアルゴリズムの開発および性能評価を行った.開発したアルゴリズムは,まず,AdaBoostなどの領域検出手法を利用して入力画像から手のみを抽出する.次に, 領域成長法 (Region Growing) を用いて手のひらのみを正確に切り出す.Region Growingでは,始点の設定が重要となるが,手のみが検出されていれば,ウィンドウの中心に必ず手のひらがあるため,そこを始点としてRegion Growingを効果的に適用した.繰り返し計算を必要とするため,色によるセグメンテーションと組み合わせることで,処理の高速化を図った.そして,手のひら領域の中心から輪郭までの距離をプロファイリングすることにより,指と指の間にあるくぼみをキーポイントとして抽出する.抽出したキーポイントを基準とすることで,拡大縮小・回転・平行移動を正規化した掌紋領域を抽出する.以上の掌紋領域抽出アルゴリズムの有効性および性能を評価するために,一般的なデジタルカメラおよび携帯電話についているデジタルカメラで手のひらを撮影し,性能評価用のデータベースを構築した.このときに,一定の環境のみで撮影するのではなく,屋内や屋外,背景の変化,時間経過など環境をさまざまに変化させた.構築したデータベースには,30人から採取した520枚の手のひら画像が格納されている.構築したデータベースを用いて開発したアルゴリズムの性能を評価し,色情報のみを用いたアルゴリズムと比較して,開発したアルゴリズムは,精度・安定性・速度の面で優れていることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたとおりに,非接触で撮影された手のひら画像から掌紋領域を抽出するアルゴリズムを開発するとともに,性能評価用のデータベースを構築して,開発したアルゴリズムの性能評価を通して,その有効性を実証することができたので,おおむね順調に研究が進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに認証システムの前処理が完成したので,今後は,照合アルゴリズムの開発および性能評価を行い,最終的に,携帯電話向けのシステムを開発する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
システム開発のための開発用携帯端末を購入するとともに,大規模シミュレーションのための計算機や大容量ハードディスクを購入する予定である.また,携帯端末のカメラを比較するために,デジタルカメラなども購入し,データベースの構築および網羅的な性能評価実験に使用する予定である.
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