2013 Fiscal Year Annual Research Report
歌声の生理・音響的特徴の操作に基づく高度な歌声合成
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23700197
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
齋藤 毅 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (70446962)
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Keywords | 歌声合成 / 歌声知覚 / 歌声生成 / ボコーダ / 歌声固有の音響特徴 |
Research Abstract |
表情豊かな歌声合成技術の構築に向けて,以下の4つの課題に取り組んだ.(1)歌声データベース(歌声DB)の作成と歌声信号の新しい音響的表現の提案,(2)オペラ歌唱の音響分析・合成,(3)歌唱における声区変換の生理的・音響的分析と合成方法の確率,(4)歌手の個性を規定する音響特徴の抽出. (1)については,オペラ歌唱,ポピュラー歌唱の大規模な歌声DBを構築した.このDBは,オペラ歌唱者10名,ポピュラー歌唱者15名の歌声500トラックから構成される大規模なものとなっている.現在,一般公開化に向けて準備を進めている.また,このDBを対象に,歌声信号の新しい音響的表現を提案した.歌声信号を歌声の生理・知覚的に重要な細かい特徴に分解・記述ことで,歌声信号間の類似性・相違性を比較可能とした. (2)では,オペラ歌唱の特徴であるヴィブラートと歌唱ホルマントの詳細な分析,及び分析結果に基づいた高品質なオペラ歌唱合成を行った.両特徴の静的・動的な性質を抽出し,これらの性質を精巧に制御することで,知覚的に肉声と同等なオペラ歌唱を合成可能なことを確認した. (3)に関しては,歌唱において重要な表現技巧である声区(裏声・地声など)変換を歌声合成でも実現するために,声区の生理的・音響的な分析,及び分析結果に基づいた声区変換手法を構築した.その結果,基本周波数とスペクトル傾斜の簡易な操作によって,声区変換を可能とした. (4)の実現には,物真似歌唱を対象とした音響分析を行った.その結果,歌手毎に異なる音響特徴が個性を規定していることを確認した.更にその特徴を操作することで,物真似歌唱合成が実現できる可能性を示すことができた.
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Research Products
(9 results)