2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸合成酵素欠損マウスにおける脊髄損傷後の機能回復
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23700440
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
HIGAONAGA Susumu 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (90535337)
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Keywords | 軸索再生 / コンドロイチン硫酸 / 脊髄損傷 / 反応性グリア / グリア性瘢痕 / 行動解析 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸(CS)合成酵素CSGalNAcT1 (T1), T2のノックアウトマウス(KO)の解析を行って以下の結果を得た。 1) 脊髄損傷実験:T1-KOについては脊髄損傷の圧挫モデルを確立し、T1-KOでの機能的回復が非常に高率に起こっていることを証明した。すなわち、BMSスコア、筋電図、落下実験のいずれでも運動機能の圧倒的な回復が認められた。解析したT1-KOではCSの量が25%減少していた。5HT染色の結果から組織化学的にも再生繊維の存在が立証され、5倍以上の5HT末端の増加が見出された。損傷領域の瘢痕サイズは有意に減少し、反応性グリアのマーカー分子であるGFAP染色の減少から、反応性グリアのサイズも減少したことが見出された。これらはCS分解酵素コンドロイチナーゼ処理とは明らかに異なる結果であった。但し、脊髄損傷の効率的修復はその理由だけではなく、へパラン硫酸の発現上昇によっても明らかに支持されていることを見出した。 2) 発生:T1-KO, T2-KOの2点を作成することに成功したが、T2-KOは脊髄損傷でもほとんど改善はなかった。またCS産生量も減少は形態学的に見出されていない。T1-KOでは大脳皮質の層形成異常が見出された。従って、さらなる解析のために双方の交配によりダブルノックアウト(DKO)を作製した。DKOマウスは致死的であるという結論に到達した。 3) 行動実験:T1-KOマウスのヘテロ体の行動を解析したが、社会行動への異常が見られた。
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Research Products
(2 results)