2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700491
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山田 貴史 中部大学, 応用生物学部, 助手 (50531860)
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Keywords | 脳イメージング |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、うつ病の早期診断および、抗うつ薬の治療効果観察のために脳画像診断法を確立する事を主目的としている。そのために、本研究課題では動物用PET/CT装置FX-3200を用い、うつ症状の原因因子とされる脳内モノアミン類、特にセロトニンについてPETイメージングによる定量性を評価した。 本研究では、中枢モノアミンイメージングを目的としたPET合成薬剤の新規開発を研究内容に含んでいたが、薬剤開発の支援者である籏野健太郎室長が異動のため支援を受けるのが困難となったために、既存の薬剤を用いた実験の遂行を試みた。 昨年度まで(平成23,24年度)に、成熟ラット(3,6ヶ月齢)の脳内モノアミン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)の濃度測定およびモノアミン受容体・トランスポーターmRNA発現量の測定を行った。一方で、動物PET/CT装置を用いて、脳内モノアミントランスポーター(セロトニン、ドーパミン)の分子イメージングを行い、取得した画像からモノアミントランスポーターの定量解析を行った。 フットショックストレス負荷を行ったラットは対照と比べ、大脳皮質、視床下部での脳内セロトニン量の増加が観察されたが、セロトニントランスポーターのmRNA発現量およびPETイメージングの解析結果に差は観察されなかった。 今年度(平成25年度)行った加齢ラット(12,24ヶ月齢)を用いた実験においても、ストレス負荷時のセロトニントランスポーターmRNAおよびPETイメージング解析結果に差は観察されなかったが、加齢ラットのセロトニントランスポーターmRNAと同PETイメージング解析結果が成熟ラットよりも有意に高い数値を示した。以上の結果から、加齢によりセロトニン代謝機構に変動が観察され、その変動をPETイメージングにより捉えられる事が示唆された。
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