2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮誘導を狙った金属性マイクロポーラス表面修飾法の開発
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23700538
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
関根 一光 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447182)
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Keywords | 人工臓器 / 血液接触表面 / 表面改質 |
Research Abstract |
血管内における自己的な血管内皮の誘導形成を目的とした、チタン微粒子の焼結体による微細多孔質表面を、人工心臓用金属製脱血管や血液カニューレの先端周囲や血管との接合部位および血液の澱みが想定される部位などに修飾する技術を目的として、チタン微粒子焼結体による自己内膜化チタン多孔体の作成とその評価をおこなった。 粒径調整したチタン微粒子を熱可塑性樹脂と適切な混合比にて樹脂溶融温度で練和し、適切な鋳型に入れて冷却した。約1,100℃、Arガス置換環境にて1時間焼成することにより、チタンマイクロ粒子が粒子ネッキングした多孔体が作成できた。試料はガス式密度計による空孔体積の算出、細胞株播種によるin vitro性状評価、雄性ラット脂肪層および筋層への埋入試験に加え、ウサギ頸動脈内への埋入をおこない、摘出後の組織切片剖検による評価をおこなった。 空孔体積については、チタンマイクロ粒子サイズと熱可塑性樹脂の混合比による理論的目標値とほぼ同等の孔率での作成を確認できたことにより、空孔サイズや空孔体積の調整について適切な手法であることが確立できた。細胞株播種による評価では、細胞の孔内への充分な侵入と細胞由来コラーゲンの形成を電子顕微鏡像より確認できた。また、ラット脂肪層および筋層への埋入試件により、一部で毛細血管の侵入が確認できた。ウサギ血管内への埋入試験については対照群の術後経過が芳しくなかったために、研究期間内においては比較評価が出来ない結果となったが、試験群においては結合組織様の侵襲を確認出来たため、今後の評価への足がかりとすることが出来た。 また研究期間終盤には、誘導因子の付与を目的とした水酸化チタン表面作成の足がかりとなる手法についても予備試験をおこない、タンパク質製剤の付与について効果が確認できたことから、研究の発展性についても期待出来る結果であった。
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Research Products
(1 results)