2012 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルリアリティを用いたパーキンソン病リハビリテーション効果の神経科学的解明
Project/Area Number |
23700632
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
橘 篤導 星城大学, リハビリテーション学部, 研究員 (80409995)
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Keywords | 脳機能イメージング / バーチャルリアリティ / fMRI / fNIRS / マルチモダルタスク / 機能向上 |
Research Abstract |
研究協力者らと共同研究を遂行することで、脳機能イメージング法を用いた神経科学的なアプローチ、そしてモーションキャプチャーシステム等を用いた運動学的なアプローチを研究代表者および研究協力者が役割分担を明確にして実験・解析を行うことで効率化を図り、研究体制を確立してきた。具体的には以下4項目となる。 (1)ボランティア被験者を募集(2)被験者にダンスビデオゲーム(DDR)のトレーニングの指導(3)トレーニング前後における運動学的アプローチによるデータ収集および定量解析(4)トレーニング前後における脳機能イメージングによる神経科学的アプローチによるデータ収集および解析 最終年度は、国際学会における研究成果の発表4報(そのうちの一報はシンポジウムのオーガナイザーから招待を受け、2012年7月に開催された国際学会CME 2012で研究成果を発表)、学術論文(査読付きの専門誌掲載論文)の出版2報の成果をあげることができた。また現在、査読付きの専門誌掲載論文へ1報研究成果を投稿中である。 これらの成果から、リハビリテーションに用いるダンスビデオゲームは、小脳-大脳皮質の運動調節系のネットワークを強化させることにより、パーキンソン病によって不全のある大脳基底核-大脳皮質の運動調節系を補う有効性があることが示唆された。また、ダンスビデオゲームのようなマルチモダリティのある課題をトレーニングに導入することは前頭前野・側頭葉・頭頂葉などの大脳皮質における賦活化を促進(スキルの程度によっては抑制)することが示唆された。 以上より、2012年度に本研究で得られた結果と意義は、パーキンソン病患者にとって本リハビリテーション法導入による運動機能向上が“生活の質”(Quality of Life;QOL)の向上へと繋がることが示唆され、新しいリハビリテーション法の有効性に一石を投じることができた。
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Research Products
(7 results)