2012 Fiscal Year Research-status Report
日中韓プロサッカー観戦者の消費動機比較に関する研究
Project/Area Number |
23700751
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
元 晶ウク 愛知大学, 地域政策学部, 准教授 (50460514)
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Keywords | スポーツ観戦者 / 観戦動機 / Jリーグ / Kリーグ / Cリーグ |
Research Abstract |
本研究の目的は、日中韓プロサッカー観戦者の(1)消費動機測定のための尺度開発と妥当性検証と(2)それを用いた消費動機の比較、(3)観戦行動に影響を与える動機要因を比較分析することによって、3国のスポーツ消費者の特徴を明らかにすることである。 平成24年度日韓プロサッカー観戦者調査では、(1)筆者によって開発されたスポーツ観戦動機項目(9因子27項目)の妥当性や信頼性が再度確認された。また、それを用いた日韓サッカー観戦者の比較においては、(2)韓国の観戦者の方がより選手個人の魅力や娯楽性を求めて観戦行動を引き起こすことと、日本の観戦者の方がより試合の結果や選手のパフォーマンスを重視する傾向が確認された。これは、韓国の観戦者が観戦頻度の少ないライトユーザーが多いことやチームに対する忠誠心が日本と比べて低かったこと考察できる。さらに、(3)日本と韓国のプロサッカー観戦者の主な観戦動機は達成、娯楽、ドラマであることと、選手個人の魅力に関する動機はサッカーのような団体種目においてはそれほど重要な動機として作用しないことも確認された。また、(4)韓国の観戦者においては、逃避動機が観戦回数にポジティブな影響を及ぼすことに対し、日本の観戦者には達成動機が観戦回数にポジティブな影響を示すことが明らかになった。 平成25年度実施予定の中国観戦者調査のために、現在調査項目の選定と翻訳作業が終了し、中国側との交渉も完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、日中韓プロサッカー観戦者の(1)消費動機測定のための尺度開発と妥当性検証と(2)それを用いた消費動機の比較、(3)観戦行動に影響を与える動機要因を比較分析することによって、3国のスポーツ消費者の特徴を明らかにすることである。 平成24年度日韓プロサッカー観戦者調査では、(1)筆者によって開発されたスポーツ観戦動機項目(9因子27項目)の妥当性や信頼性が再度確認された。また、それを用いた日韓サッカー観戦者の比較においては、(2)韓国の観戦者の方がより選手個人の魅力や娯楽性を求めて観戦行動を引き起こすことと、日本の観戦者の方がより試合の結果や選手のパフォーマンスを重視する傾向が確認された。これは、韓国の観戦者が観戦頻度の少ないライトユーザーが多いことやチームに対する忠誠心が日本と比べて低かったこと考察できる。さらに、(3)日本と韓国のプロサッカー観戦者の主な観戦動機は達成、娯楽、ドラマであることと、選手個人の魅力に関する動機はサッカーのような団体種目においてはそれほど重要な動機として作用しないことも確認された。また、(4)韓国の観戦者においては、逃避動機が観戦回数にポジティブな影響を及ぼすことに対し、日本の観戦者には達成動機が観戦回数にポジティブな影響を示すことが明らかになった。また、(5)平成25年度実施予定の中国観戦者調査のために、現在調査項目の選定と翻訳作業が終了し、中国側との交渉も完了している。 以上のことから、日韓の比較は十分に成果をあげているものの、中国調査においては現地の状況によりやや遅れているが、全体的には当初の目的達成の見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、主に中国観戦者の調査を集中的に行い、その結果を日韓の観戦者との比較を行う。現在中国調査のための調査項目や翻訳作業、球団との交渉が終了していることから、今後は調査項目に対するパネルディスカッションと予備テストを行い、項目を最終確認した上で、本調査を実施する。 調査結果については、3国の比較をそれぞれ行い、アメリカ、日本、韓国のスポーツ経営関連の著名なジャーナルに論文を投稿し、掲載していく予定であり、韓国とアメリカで開催される国際研究大会やシンポジウムにて報告を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には、まず中国調査のためのパネルディスカッションを中国プロスポーツ専門家や中国語専門家を対象に行い、その後日本にいる中国人留学生を対象に予備調査を実施し、項目を修正した上で、9月までは調査項目を確定し、10月には本調査を実施する。その後、日中韓3国のスポーツ観戦者の比較分析を行う。 調査結果については、11月頃から集中的に論文を投稿し、年内には一定の成果をあげる。また、11月と平成26年2月予定のアメリカや韓国での国際研究大会や国際シンポジウムにて研究成果の中間報告を行う。 また、平成26年3月までには、すべての結果をまとめ、報告書を作成する。
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Research Products
(3 results)