2011 Fiscal Year Research-status Report
東アフリカ中長距離選手の圧倒的な走りの強さの秘訣に神経・筋腱機能から迫る
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23700756
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
石川 昌紀 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (20513881)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 フィンランド / 国際研究者交流 フランス / 国際研究者交流 ケニア / 国際研究者交流 スイス |
Research Abstract |
本研究は,東アフリカ中・長距離陸上競技選手の走り方に着目し,彼らのランニングスタイルを可能にする下肢の筋腱の形態特徴,さらに彼らの効率的な走行を可能にする筋腱の機能特性を明らかにすることを目的とした.彼らのランニングやジャンプ運動中の下肢筋腱動態とそれらをコントロールしている筋活動を測定し,東アフリカ中・長距離陸上競技選手の走り方を可能にするメカニクスの解明を試みた.本年度は,世界陸上連盟の協力の基,フィンランドのKomi教授とフランスのNicol教授と共に,ケニアのHigh performance training centerで東アフリカの一流陸上競技選手とケニア一般人の下肢形態測定とランニング動作中の筋腱動態測定を行った.測定項目は,筋電図,動作分析,超音波装置による筋腱動態測定を行うことができた.計20名ほどのケニア人データを得ることができ,データをまとめている段階である.計画にあった筋硬度測定だけが,ケニアの入国審査で許可されず測定に利用できなかったが,他の測定項目はすべて問題なく得ることができた.身体運動中の筋腱動態に関するデータはすでに論文としてまとめており,平成24年度中に国際誌に投稿する予定である.また今回測定したデータを平成24年度に行われるヨーロッパスポーツ会議で発表することが決まっている.さらに,今回のプロジェクトの一部は,平成24年のロンドンオリンピック前のNHKスペシャルで放送されることが決まった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,東アフリカの一流中・長距離陸上選手を被験者としてデータサンプルする事が重要な点となっており,23年度に無事測定することができた.コントロール群として考えていた一般の東アフリカ人の被験者としてのサンプルが十分に集めることができなかった点は,平成24,25年度に繰り越すことを計画している.平成23年度に得られたデータは現在,論文としてまとめており,今年度中に国際誌に投稿する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,東アフリカ以外のヨーロッパとアジア諸国の長距離選手を対象に測定を実施し,東アフリカ中・長距離陸上選手の競技力の高さの謎に迫る.また,平成23年度に十分測定できなかったコントロール群のデータに関しては,日本国内の東アフリカ諸国関係者を通じて,測定協力を依頼していく.これらのデータと東アフリカ一流陸上競技選手の形態測定のデータを比較しまとめ,平成24年度中に国際誌に投稿する予定である.これらまとめたデータは,国際学術誌だけでなく,一般科学雑誌やメディアを通じて広報活動を今年度に実施していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に測定できなかったコントロール群の測定に,平成23年度の研究費残金を平成24年度に使用する(交通費と謝金,データ分析費として計上する).また,平成24年度ヨーロッパスポーツ科学会議での研究成果発表に関する外国旅費,国際学会誌への投稿料を,研究計画書に記載した予算通り計上する.
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Research Products
(2 results)