2012 Fiscal Year Annual Research Report
健康な高齢者に対する作業療法プログラムの効果 ランダム化比較試験
Project/Area Number |
23700803
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川又 寛徳 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (00511106)
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Keywords | ヘルスプロモーション / 作業療法 / 高齢者 |
Research Abstract |
最終年度である平成24年度は、沖縄県沖縄市にて、新聞広告等にて広報し、参加者を募った。実験群には、健康と作業療法の視点から人生の振り返りと新たな作業の検討・実施を目的とした講義と演習を行い、対照群には作業療法の臨床でよく用いられる手工芸を作成するプログラムを実施した。実験群と対照群のプログラムは、ともに週1回(2時間)、15回であった。プログラム初回とプログラム最終回に生活満足度やSF-36等、QOLの評価を実施した。実験群(9名、70.8歳)と対照群(11名、67.8歳)の効果測定値の変化量(プログラム最終回測定値からプログラム初回測定値を減じた値)の比較において、実験群が高い結果にあったが、統計的に有意差は認められなかった。 研究期間全体を通じた分析対象者は、実験群20名(69.4±4.27歳)、対照群22名(69.9±4.29歳)であり、平均出席回数(全15回)は実験群13.2±1.69回、対照群13.2±1.79回で、年齢、出席回数ともに有意差は見られなかった。他、ベースラインで統計的有意差は認められなかった。変化量の比較においては、SF-36の日常役割機能(精神)で、実験群(4.9±9.58)、対照群(-1.9±10.71)と、実験群が有意に高い結果であった(p=.04)。 実験群のプログラムは、先述の通り、健康と作業の視点、例えば自分の過去に担ってきた役割や現在の役割について振り返り、今後の人生における自分の役割を見直したり、他の参加者と意見交換をおこなった。他にも、興味や価値、習慣や環境などの作業療法の視点から普段の生活を見直し、それを生活に活かすことができるようプログラムで実施したことが、健康高齢者の日常役割機能(精神)に良好な影響を与えたものと考えられる。
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Research Products
(1 results)