2013 Fiscal Year Research-status Report
日本のファッションの海外発信性に関する研究―定点観測による実証研究を基にして
Project/Area Number |
23700874
|
Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
渡辺 明日香 共立女子短期大学, 生活科学科, 准教授 (60352746)
|
Keywords | ストリートファッション / ファッション / クールジャパン / データベース |
Research Abstract |
本研究の目的は、ストリートファッション定点観測の調査・分析をふまえて、日本のファッションの特異性と海外発信可能性について検証を行うことにある。本年度は、以下の研究を行った。第一に、日本のファッションの特徴を整理し、『改訂文庫版 日本のファッション』(共著)を刊行した。研究代表者が執筆したのは、2007年以降の若者ファッションの解説部分であり、クールジャパンやファッションのグローバル化などについて、ストリートファッション観測の知見をもとに考察を行った。第二に、紀要論文として、「日本のファッションにみるアメリカの影響 ー洋装化,ジャパン・ファッションの影響,ストリートファッションの現在ー」(単著)を執筆した。ここでは、日本のファッション史を明らかにする上で、準拠点の一つとなるアメリカの影響がどのような形で及ぼされ、日本のファッションに体現されてきたかを整理した。第三に、平成25年度に続き、1970年代から2010年代までの写真整理として、これまでに選択した写真2,000点に加え、さらに2,000点を抽出し、研究計画当初の目標であった合計4,000点の写真選択を終えて、これをスキャナ入力し、4,000点のデジタルデータ化を果たした。第四に、定点観測調査・実地撮影では、昨年度に続き、原宿・渋谷・銀座・代官山の各エリアの定点観測および、被写体の撮影(1地点あたり150枚程度)の調査・研究を遂行した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストリートファッションの定点観測調査の継続、本研究の目標としていたストリートファッションの写真4,000点の抽出ならびに、スキャナー入力の遂行、共著の書籍および紀要論文による知見の公表も達成でき、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる平成26年度は、次の3点の研究を予定している。第一に、1970年代~2010年代までのストリートファッションにおける実態調査の考察、第二に、学会発表・学会論文の執筆、第三に、定点観測調査および撮影の3点の内容を推進する予定である。とりわけ、今年度は、平成25年度にデジタルデータ化した4,000点のストリートファッションの写真データを用い、データベース構築に向けた研究を重点的に行う予定である。これと並行して、ファッションにおける時系列変化の特徴分析を行い、その成果を学会発表、学会論文等で公表する予定である。さらには、ストリートファッションの実態調査を通して把握される日本のファッションの特徴と、クールジャパンの本質がどういった点にあるのかを明らかにし、研究総括を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
産休および育児休業の取得にともない、2012/8~2013/3まで事業を中断したことによる、研究計画の延長のため。 平成26年度は、以下の研究費の使用計画を予定している。1.国際会議でのポスターセッションのための翻訳サービスの利用、2.写真の選別作業およびスキャナ入力のための人件費・謝金、3.スキャナ入力のためのスキャナー機器の購入、4.定点観測調査および写真撮影にかかる経費
|
Research Products
(4 results)