2012 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な環境循環型食糧資源としての海藻アカモクの有効活用;機能性食品の開発
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23700890
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 香 広島工業大学, 生命学部, 准教授 (90295866)
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Keywords | 海藻 / 褐藻類 / アカモク / 腸内細菌叢 |
Research Abstract |
アカモク経口摂取による高脂血症モデル動物への影響I 高コレステロール含有飼料およびアカモク経口摂取によるラットの脂肪重量や血中コレステロール増加抑制効果および腸内細菌叢への影響について調べた。 Sprague-Dawly系の雄ラットを①高コレステロール食群、②高コレステロール+アカモク調理・加工品食群の2群に分けて、28日間本飼育されたラットの盲腸内容物および糞便を用いて腸内菌叢解析を行った。 各群間に体重増加量は有意差はみなれなかったが、糞量、各消化器重量(胃、小腸、大腸)はアカモク食群が有意に高かった。血中コレステロールおよびHDLコレステロールはアカモク食群が、トリグリセリドはコレステロール食群が高い傾向がみられたが、有意差はなかった。ラットの盲腸内容物および糞便からDNAを抽出して、PCRにより増幅した。PCR産物をD-Codeシステム(Bio-Rad社製)を用いて変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)で分析した。コレステロール食群と比較して、アカモク食群で1種のDNAバンドが減少または消失、さらに、1種のDNAバンドの出現が確認された。 この研究により、高濃度のコレステロールと一緒にアカモクを摂取した場合も、腸内細菌叢への影響があることが確認された。この成果は国際機能性食品学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
盲腸内容物および糞便の腸内菌総解析に着手し、当初予定よりも進んでいる部分もあるが、血中コレステロールへの影響については再度検討する必要がある。 高コレステロール食群ラットの血中コレステロール値に顕著な上昇が認められなかった理由に、高コレステロール食群飼料のコレステロール含有率15%は高すぎたこと、胆汁酸等を添加していなかったことが考えられた。そのため、コレステロール上昇モデルラット調整のために飼料条件を変えて、再度、実験する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
高コレステロール食群ラットの血中コレステロール値に顕著な上昇が認められなかった理由に、高コレステロール飼料のコレステロール含有率が15%と高すぎたこと、胆汁酸等を添加していなかったことが考えられた。そこで、高コレステロール添加量を0.5~3.0%として、胆汁酸を添加する群をコレステロール上昇モデル群、同飼料の食物繊維の代わりにアカモク加工乾燥試料を添加するアカモク添加群、および、標準食群の3群に分けて動物実験を実施する。飼育中のラット血中コレステロール値については採血して確認し、飼育期間を決定する。 アカモク経口摂取による高脂血症モデル動物への影響Iその2 アカモクによるラットの脂肪重量や血中コレステロール増加抑制効果について調べる。 コレステロール上昇モデルラットへのアカモク経口投与実験;Sprague-Dawly系の雄ラットを①スタンダード群、②コレステロール上昇モデル群、③アカモク調理・加工品投与群の3群に分けて飼育する。体重および血中コレステロール値の変遷、糞便、尿重量の変化、糞便の形状・成分の変化、血液成分や臓器などの相違を調べる。 また、持続可能な環境循環型食糧資源としての海藻アカモクの有効活用のために、栄養成分である主要ミネラルおよび有毒重金属の含量の季節変動を調べる。さらに、アカモク調理・加工による主要ミネラルおよび有毒重金属含量の変化についても測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験およびミネラル分析用の試薬、プラスチック器具、ガラス器具等消耗品。国際学会での成果報告。論文校閲。研究協力者との会合および出張費。実験補助者への謝礼等。
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Research Products
(2 results)